まる猫の今夜も眠れない

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【ほのぼのストーリー】猫のはなし (キャットちゃんのケース)

キャットちゃんのケース

何を言っているかわからないまえがき

今回のお話は以前書いたかもしれない記事をリメイクしたものだ。

ともすれば実在しないかもしれないものをリメイクすることができるのかは些か疑問ではある。

(仮にあったとして)以前の内容と食い違う部分があるかもしれないが、記憶を元に再現しているので何卒お許しいただきたい。

 

猫は見た

僕はかろうじて車が通れないような細い路地が好きだ。

そこをゆっくりと自転車で通ることに喜びを覚える。

何と言うか血液が体の中を巡っているような感じを得られるのだ。

そして僕は猫が好きだ。

猫が真面目に何かを見つめている姿がたまらなく愛おしい。

今回はこれらの僕の好きなもの2つが揃ったお話だ。

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その日も仕事帰りに自転車に乗っていると、通ったことがない路地を発見した。

未だにそんな道があることに少し感激していた。

多分無意識に最短距離を通って通勤しているからだろう。

そしてその路地の先でキャットちゃんを見つけた。

僕とキャットちゃんの距離はかなりあった。

ちなみにキャットちゃんというのは仮名だ。

キャットちゃんはおそらく飼い主と思しき人物を見つめていた。

その瞳はただただ澄んでいた。

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キャットちゃんは身じろぎ1つせずにその場に佇んでいた。

もう可愛くて仕方がない。

猫を愛し、猫からは愛されない男がときめく瞬間だ。

気になったので僕もキャットちゃんの曇り1つない視線の先を見てみる。

そこには傾いた家庭用のバスケットゴールがあった。

そして飼い主はそれを必至で支えていた。

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キャットちゃんはただただその光景を見つめていた。

飼い主と思しき人は大声で家族を呼んでいた。

何ですか、この状況は?

え、これ助けた方が良いの?

僕は理解しがたい状況を前に戸惑っていた。

その間もキャットちゃんは飼い主を見つめていた。

まさにあなただけ見つめてる状態だ。

僕が駆けつけるよりも早く家の中から家族と思しき人達が出てきて、バスケットゴールは無事に修繕された。

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時間にしてみれば2、3分の出来事だった。

僕がその場所を通り過ぎて振り返ってもキャットちゃんは飼い主を見つめていた。

そして僕は猫の手も借りたいときが来ても、猫は手を貸してくれないことを知ったのであった。

 

※ 猫を愛する。