そんな2人にも感謝
前回までのあらすじを説明させていただくと、僕と同じ年齢のように見えるカップルが令和には珍しい世界線を醸し出していたという感じだ。
この説明では解りかねるという読者様は前回の記事を読んでいただくしかない。
読んでいただければ後悔だけはさせる自信はある。
maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp
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果たして僕たちの隣の席に座ったカップルのたぁくんとえみちゃ〜んは食券を買いに席から離れていた。
そして2人は隣のテーブルにニコニコ顔で帰ってくる。
御当地ラーメンを堪能しているフリをしてたぁくん(隣のテーブルの男性)をよく見ると、白髪の量からして男性は結構なお歳だと解った。
僕と同じくらいの年齢だと思ったが、少し上かもしれない。
けれどもたぁくんの名誉のために言っておくが、格好自体はジャケットと白シャツというかなり清潔感ある感じであった。
顔もかっこいい芸人さんという感じであった。
粘っこいのはその言動なだけだ。
たぁくんとえみちゃ〜んの2人は同じラーメン・セットを頼んでいた。
繰り返すが同じ料理なのである。
けれども箸を持つとえみちゃ〜んはたぁくんに「はい、あ〜ん」と滅びの呪文2を唱えたのだった。
これで地球は2度滅びたのではないかと思った。
家族の世話をするフリをしてえみちゃ〜んを見ると、彼女もおしゃれで2人は素敵なカップルのように見えた。
えみちゃ〜んは僕と同じくらいの年齢か、もしくは少し若い感じがした。
えみちゃ〜んは「おいちい?」とたぁくんに尋ねる。
どんなことにも感謝したいマンである僕なのだが、「カップルのどちらかにはブレーキがあって欲しい」と思わざる得なかった。
なぜ同じ料理で「あ〜ん」をしているのか全くわからないが、もしかしたら何らかのリハビリである可能性もあるので僕はラーメンに集中しようとした。
するとたぁくんもえみちゃ〜んに「あ〜ん」をする。
駄目だ、ここには居られん。
僕はそう思って席を立ち、自腹で食券を買いに行った。
この状況でも地鶏唐揚げと真剣に向き合う奥様はすごいと思った。
仮に奥様が音楽家であり豪華客船で演奏をしているときに、何らかの事故で船が沈むことになっても、きっとピアノを弾き続けるのではないかと思った。
僕が戻ってくると2人はお互いの食べている姿を携帯電話で撮り始めていた。
たぁくんが何と言っていたかはよく聞き取れなかったが、おそらく「おいちい記念日だね」ではないかと思われた。
完全に2人だけの世界だった。
しかしながら撮影が終わると、2人は話をすることなくもくもくとラーメンを食べ始めた。
何じゃ、この竜頭蛇尾感は?
僕たちが食事を終え席を立つまで2人は当初の盛り上がりを見せることなく食事に集中していた。
もしかすると美食倶楽部の会員なのかもしれない。
僕は2人に感謝した。
2人のおかげでとてもたくさん昼食を味わうことが出来たからだ。
値段にしたら2000円近い食事になった。
ただ惜しむらくはどんな味がしたのかまるで覚えていないという点である。
※ そろそろ母の日ですね。