水もしたたるいい男が出てくるお話
本日、トイレから出たあとで僕のズボンが濡れていましたが、それは間に合わなかったからではありません。
ええ、違いますとも。
手を洗っていたら水がかかっただけなんです。
今は冬だし、温かい水で手を洗っていたらいつの間にかズボンが濡れていただけですよ。
そういうことってあるでしょう?
だいたいもういい大人ですよ。
そんなねぇ、幼稚園児ならともかくですよ。
仮に、仮にですよ。
多少トイレから出たあとでズボンが濡れていたとしても、それがすなわち間に合わなかったというわけにはならないわけですよ。
セミがトイレにとまっていて、僕におしっこをかけたかもしれないじゃないですか。
え?
冬にセミがいるはずがないって?
そんなことわからないでしょう。
環境がよくてもセミの寿命は1ヶ月ですって?
それはセミの頑張り次第でしょう。
そうやってセミの限界を決めるなんて、ぼかぁ嫌いだなぁ。
ただね、こんな可能性は考えられないですか?
トイレのジェットタオルの中でそのセミが孵化した可能性を。
トイレのジェットタオルはご存知の通り温風を出して手を乾かしてくれる機械です。
あの温風が夏の昼下がりに自転車をこいだとき頬にあたる風だと思うことくらいあるでしょう。
え?
ジェットタオルの温風は40℃くらいだって?
夏じゃないですか。
高すぎるきらいはありますが、夏の温度ですよ。
セミがちょうど目覚める温度ですよ。
どうしてセミの可能性を信じてやれないんですか。
え?
お前は虫が好きなのかって?
好きなわけないでしょう。
めちゃくちゃ怖いですよ。
ジェットタオルの中にセミがいたら気を失いますよ。
誰がそんな恐ろしいことを言い出したんですか。
全く、こちらの身にもなってくださいよ。
ただね、考えてみて欲しいのです。
そんなところで孵化してセミは幸せなのかと。
僕はどんな生き物にもリスペクトをしている人間です。
だから苦手でも無視にリスペクトを欠かしたくないのです。
もうこの話はやめましょう。
ただセミが僕のズボンにおしっこをかけただけです。
それだけのことです。
え?
なんでセミがそこにいたのかって?
おじさんが僕のズボンに光を当てていたかもしれないじゃないですか。
セミに限らず虫は光が当たっている場所に近づく習性があります。
なんでおじさんが僕のズボンに光を当てていたかですか?
そんなものセミを捕まえるためですよ。
業者さんかなんかじゃないですか?
もう質問はないでしょうか?
今日は皆さんとわかりあえて良かったです。
僕もそろそろ眠くなってきました。
取り敢えず明日は新しいベルトを買いに行こうと思います。
今日していたベルトははずすのに慣れていなくて2、3分かかってしまうからです。
この記事はフィクションであり、実在する人物・団体とは一切関わりがありません。
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