※ この内容は以下の記事のまさかの続きです。
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続 冬の日に怖い話
前回の話からまさかの続きがあるとは誰が想像しただろう。
書いている本人も続きがあってほしくなかったくらいだ。
平日に休みをもらえた。
そして、携帯電話の機種変更をしようと思い立った。
そのあとの予定もあったので、11時くらいに家を出る計画を立てた。
そのときにお気に入りの大きなバックパックを背負って店に行くつもりだった。
2階の戸締まりをして、玄関の鍵のチェックをして自転車にまたがって出発する。
平日の午前に自転車で走ることがこんなにも楽しいのかと思える。
家のすぐ近くで、とても優しいご近所さんに出会う。
犬の散歩をされているところだった。
ご近所さんは優しい笑顔をたたえながら挨拶をしてくれた。
僕も自転車に乗りながらではあったが、きちんとお辞儀をした。
そしてご近所さんの横を通り過ぎ、曲がり角まで行ったときに気付くのだ。
バックパックを持ってきていない。
しかし、後ろには先程ご挨拶をしたところのご近所さんがおられる。
再び家に戻るのは何となくバツが悪い。
まぁ携帯電話屋で貰うものはそんなに大きくないだろう。
そう思い、バックパックなしでも持って帰れるだろうと判断し、そのまま自転車をこいだ。
その日は小春日和だった。
バックパックを忘れてしまったことをなかったことにできるほど素敵な天気だ。
自転車のペダルも心なしか軽く感じられる。
それから10分ほど自転車をこいで、僕は完全にバックパックを持ってきていないというミスを忘れていた。
そして大きな交差点に差し掛かったときに、信じられない恐怖が僕を襲う。
なんと僕はバックパックを背負っていたのだ。
これは本当に恐ろしかった。
まだ子泣きじじいを背負っていたほうが怖くないくらいだった。
僕は背中の感覚をどこかへ置き忘れてきたのだろうか?
どうして背中に背負っているバックパックに20分近くも気付かなかったのか?
しかも意識の中にバックパックがあったのにだ。
僕は形容し難い感情に打ちのめされて、うなだれながら自転車をこぎはじめた。
そう言われてみれば最近は夜に3回以上トイレに行く。
そして4時位から眠れなくなって朝までぼーっと起きている日が続いている。
老いが始まっているということを認めたくはないが、明らかにいろいろな機能が次のステージに進んでいるような感じがする。
出来るならば、この自分の愚かさを笑い飛ばしながら生きていきたいものである。
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