まる猫の今夜も眠れない

眠れない夜のお供に

助けて、ブ◯ック・◯ャック先生 (後編)

※ この内容は理科の授業の解剖に関する記事の続きです。

苦手な人は苦手な内容だと思われますので、ご無理のない程度にお楽しみいただけると幸いです。

maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp

 

アメリカの生物の授業

アメリカでの生物の授業でカエルの解剖をした。

僕は硬直し、メスとピンセットを持ったまま動けなかった。

とても勉強にはなったのだが、自分が不甲斐なかった。

カエルには本当に申し訳なかった。

その解剖からしばらくはまたスケッチをしたり、動物の体の働きを確認する授業形態に戻った。

しかし僕たちは怯えていた。

最近、脳のスケッチが多すぎる。

杞憂であって欲しい。

しかし先生のメガネが怪しく光っていた。

そしてその日がやってきた。

僕たちはグループに分かれて座らされた。

そして各グループに羊だと思われる脳が配られた。

(もしかしたら豚かもしれないが、よく覚えていない。)

いらすとや (www.irasutoya.com)

ミャ〜ァ!!!

人間は本当に困ると何語でもないことばを発するものだ。

流石に女生徒もキャーキャー言っている。

僕は白目になって倒れそうになっていた。

しかしそれでは羊に申し訳ないと思い、何とか脳みそを触る。

思っていた感触と違う。

羊、すいません、これ以上は僕は無理です。

しかしそんなときにグループ内に救世主が現れた。

名前は覚えていないが、便宜上アレンと呼んでおこう。

アレンはいわゆる勉強が好きなタイプで、大学も行きたいところがあると言っていた。

将来のことを真剣に考える立派な少年だった。

そしてアレンは涼しい顔で、羊の脳の解剖をし始めた。

パーツに分けられたら、それを毎回僕たちに見せてくれた。

よく見えるように配慮してくれたのだと思う。

いや、アレン、僕たちは自分のタイミングで観察をするから、放っておいてくれ。

アレンのおかげで羊の脳の解剖はうまくいった。

僕たちはパーツを観察し、先生に報告した。

 

最後の解剖

その後しばらくは、授業では自然界との関わりやアデノシンだったかを扱った。

僕たちは真剣に授業を受けた。

授業を受けていても乗り越えられないものが襲ってくることは知っていたが、せめて授業を理解しておかないと不安で仕方がないのだ。

そしてある日、生徒たちはまたグループに分けられた。

いらすとや (www.irasutoya.com)

ホルマリンに漬けられた豚だ。

いや、唐突すぎる。

しかもその日に限ってアレンは休みだ。

何をしてくれているんだ、アレン。

先生は臓器の仕組みをよく見るようにと言った。

う〜ん、メスで開けるのか。

何も出来ないでいると、あれだけ羊でキャーキャー言っていたグループの女の子たちがおもむろに解剖を始めた。

一言も発さない。

女性はいざとなるとスゴイな。

僕は完全に足手まといになっていた。

最後まで何も出来ずに終わった。

僕のグループは女の子たちのおかげで何とか解剖に成功した。

 

そしてその日、僕の進路希望から医師という選択肢が消えた。

 

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