※ 残念ながらこの内容は以下の記事と続いています。
maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp
君がいた夏
夏の真っ昼間に走るのが好きだ。
汗びっしょりになりながら帰ると、生命の躍動を感じられる。
何度も言っているが、そもそも危険な行為なのでおすすめしないし、僕も充分な水分を取りながら行っている。
しかしその日はふだんより2℃ほど気温が高く、3キロ弱走ったあたりでそれ以上ジョギングするのは無理だと判断し、歩いて帰ることにした。
いつも走り切っている道なので、正直悔しかったが、無理はいけない。
すると目の前から若い男性が自転車に乗りながらこちらに向かってくる。
あの若者だ。
前回は気づかなかったが、結構ロン毛である。
僕はタオルで汗をふくふりをして彼をチラ見する。
何だ、あれは!
彼は触覚のようなものを付けて、自転車に乗っていた。
クロマティー高校で似たような話を読んだことがあるが、それは漫画だ。
彼は僕の横をさっそうと通り抜けて、繁華街の方へと消えていった。
考察
彼は前回はスカウターを付けていた。
今回は触覚を付けている。
どういうことなのだ?
さすがの僕も彼が宇宙人であるという説はもう捨てている。
「変な人だ」と片付けるのはあまりにも詮無い。
人間が行う活動には必ず何らかの理由が存在しているはずだ。
まず僕が考えたのは「コスプレのお店に勤務している」という可能性だった。
これならばスカウターをしていても、触覚が付いていても不思議ではない。
しかしこの説はすぐに棄却された。
そういうお店に勤務しているのであれば、現地で着替えればいいわけで、家からコスプレをしている必要などないのだ。
次に考えたのは、「頭部を守っている」という可能性だ。
しかし触覚はともかく、スカウターは頭部の保護には役に立っていない。
さすがにこの若者に失礼な発想だ。
僕は反省した。
となると考えられる理由は1つしかない。
彼はスカウターと触覚を髪留めとして使っているのだ。
彼はロン毛だった。
スカウターがなければ、髪の毛が目にかかって運転しづらいだろう。
触覚がなければ、髪の毛が風に揺れて集中しづらいだろう。
謎はすべて解けた。
願わくば次に彼に会うときに、彼がこんな格好⬇で現れないで欲しいものだ。
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