まる猫の今夜も眠れない

眠れない夜のお供に

最初の記憶

記憶の始まり

あなたにはいつ以降の記憶があるだろうか?

保育園?

小学校?

思春期あたり?

人それぞれだと思う。

僕は2歳以降の記憶がある。

 

記事で昔のことを書いていると、我ながら「いろいろよく覚えているなぁ」と感心することがある。

実際によく覚えているのである。

「こんなことを覚えていてどうするんだ」ということも覚えている。

例えば、大学生になり、学生だけが住むアパートで独り暮らしを始めたときのことだ。

僕は部屋の片付けをしながら歌を歌っていた。

サビの部分にさしかかったとき、まさかの事態が起こったのだ。

何と隣りの部屋に住む人が先にサビを歌い出したのだ。

顔すらも知らない隣人。

「あっ」という声が聞こえて、すぐに歌が止んだので、悪意があってしたことではないのは確かだ。

あのままサビが続いていれば、CHEMISTRYに継ぐユニットとしてデビューしていた可能性すらある。

 

話をもとに戻す。

僕は2歳以降の記憶がある。

その頃、子どもながらに怖いと思う体験をした。

その経験をのちの生命維持活動に活かすために、僕の脳が記憶したほうがよいと判断したのだと思う。

僕の記憶の始まりだ。

いらすとや (www.irasutoya.com)

はじめての遭難

当時、僕はおじいちゃんとおばあちゃんの家に住んでいた。

その家は昔の住居であり、今では考えられない作りをしていた。

例えば2階に続く階段が直線で30段近くあった。

螺旋階段なら解らなくはないが、一直線なのだ。

今思えば恐ろしい構造である。

よくこの階段から落ちて泣いていた記憶も残っている。

僕が高所恐怖症なのは多分この経験が大きく関係していると思う。

いらすとや (www.irasutoya.com)

僕は2歳児のとき、その家で迷子になり、家族のもとへ帰れないという生命の危機に瀕した。

その家には2階に続く直線の階段のほかに、別の場所にもう1つ階段があったのだ。

この別の階段をジ・アザー階段と呼ぼう。

このジ・アザー階段であるが、説明がとても難しい。

1階の方への下り階段ではあるのだが、階段の先にあるのは行き止まりである。

建築した人間の意図が知りたい。

2歳の僕はこのジ・アザー階段で遭難したことがある。

親の目を盗み、家屋を探検していて、ジ・アザー階段に辿り着いた僕は、そこで迷子になった。

僕はどうやって家族のいる場所に戻ればいいか解らず、ジ・アザー階段で泣きながら右往左往していた。

実際はものの30分も経たないうちに救助されたらしいが、2歳児は迷子になると人生に絶望をするものだ。

叫べども声は届かない。

そして僕は泣くのを止めて、ある結論に到達した。

ここで...ここで暮らそう。

2歳児の僕が自立を余儀なくされた瞬間であった。

そしてジ・アザー階段に貯蔵されていた袋麺の包を破り、2歳児は乾麺にワイルドにかぶりついていた。

間もなくして、探しに来た家族に僕は発見された。

おそらくこのときの僕はさいとうたかを先生が描かれたような顔をしていたと思う。

 

※ よろしければ以下の記事も御覧ください。

maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp

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