天丼好きな僕
仕事場から車で10分のところに行列のできる天丼屋さんがある。
テレビ番組にも取り上げられたり、雑誌にも掲載されたりと、かなりの有名店である。
値段も1500円ちょいであり、高いことは高いのだが、全く手が出ないという値段ではない。
毎月というのはさすがに無理だが、年に1、2度は行ける値段だ。
その店は味もさることながら、温かい接客をしてくれる。
有名店なのに偉ぶることがなく、お客さんを大切にしているのが解る。
同僚のアメリカ人の方と一緒に行ったことがあるが、とても喜んでいた。
その同僚は興奮して「また来よう」と言っていたが、僕はそのとき全く別のことを考えていた。
それは「丼ものの名前って英語で説明しにくいよな」ということである。
かなり前置きが長くなったが、今回はそういうお話である。
君の名は
数ある日本の料理の中でも、丼ものの名前は説明が難しい。
「牛丼」、「海鮮丼」、「カツ丼」、「天丼」、「玉子丼」などならばいい。
これらは名前と中身が一致しているからだ。
だから英語にもしやすいし、海外の方も特に違和感なく理解してくれる。
関西ではポピュラーな木の葉丼くらいまでは英語で説明しようと思えば、何とか説明できる範囲内である。
問題なのはウィットに富んだ名前の丼ものだ。
鉄火丼なんてどうやって説明すればいいのか。
確か博打の鉄火場から来ているという説は俗説であり、本来は鉄火寿司と関係があると思う。
しかしその鉄火寿司がどこから来たのか解らない。
アイアンファイヤーライスが違うのは解っている。
そんな必殺技のような料理名があってなるものか。
あるあるで申し訳ないが、親子丼の名前も本当に説明が難しい。
いや寧ろ、恐ろしい説明になってしまう。
恐らくその説明を受けたあとで、親子丼に対して前向きでいてくれる海外の人はいないのではないか。
そしてさらに他人丼というものがある。
これは鶏肉とそれ以外の肉を用いた丼なのだが、アザーピープルライスと訳してしまってはもう何の料理なのか全く解らない。
それをなぜ食べていいのかすら問題になってくる。
そもそもこのネーミングが親子丼ありきでできていることに問題がある。
ちなみに僕が割と好きなたぬき丼にはもちろんタヌキは入っていない。
※ 美味しいもののお話は以下の記事にて紹介されています。