まる猫の今夜も眠れない

漫画、英語学習、お笑い、ふりかけ、四方山話

カナダ、ケベック・シティー

お題「旅行先で食べた美味しかったお店や料理は?」

カナダ

アメリカの東海岸に住んでいたとき、カナダに旅行に連れて行ってもらったことがある。

しかもでだ。

それほど近い距離に住んでいた。

僕はアメリカの現地校でフランス語を学んでいたので、その上達具合を試すチャンスだと思ってウキウキしていた。

新しく覚えた言語を話すのは心躍る経験なのだ。

本当に若かりし頃にいろいろな経験をさせてくれた両親には感謝である。

 

旅行当日

深い深い森を貫くように、高速道路は北へと伸びていた。

車に揺られること数時間、僕達はカナダの国境へと到着した。

日本に住んでいると、国境を車で越えるという経験はできない。

「何が起こるのか」と緊張しながら、車の中から外の様子を眺めるが、手続きを簡単にすませて車はすんなり国境を通れてしまった。

拍子抜けである。

いらすとや (www.irasutoya.com)

ともあれ僕達はカナダに着いた。

カナダはアメリカと較べて手つかずの自然が多い印象を受けた。

まずはモントリオールの街を探索する。

モントリオールでは一応英語は通じたため、意思の疎通は困難ではなかった。

建築物はアメリカのそれと変わらないのだが、どこか哀愁がある感じがした。

気のせいかも知れないが、日差しがアメリカで感じるものと異なっていて、街全体が少し暗く感じたのだ。

そこにきて、僕達は通行人からジロジロ見られた。

今でこそワーキングホリデーで行ける国となっているが、当時のカナダはまだアジア人が少なかったらしく、僕達は好奇の目で見られていたのだった。

差別とまでは行かないが、あまりいい気はしなかった。

あくまでも当時の僕の感想だ。

実際カナダは素晴らしい国である。

しかしこのことで、少しブルーになり、僕達は次の場所へと移動した。

 

ケベック・シティ

カナダの楽しみの1つは料理である。

僕はとくにケイジャン料理が好きだった。

(ケイジャン料理のルーツはカナダにあるとされている。)

アメリカで食べる料理よりも、ケイジャン料理は日本人の口に合うと思う。

ダイナー的なところでケイジャン料理を食べた。

間違いのない味だ。

シンプルに美味い。

日本にいても機会があれば食べたいほどである。

そのあと、しばらく車を走らせるとケベック・シティーに着いた。

その日はケベック・シティーで宿泊予定だった。

たまたまだったかもしれないが、ケベック・シティーではほとんど英語が通じなかった。

さあ僕の出番だ。

僕のフランス語の力をとくと見よ。

僕は必要以上に鼻音を出して、フランス語を話す。

 

ボンジュールしか通じない。

 

すっかり日も暮れていたのにボンジュールもないもんだ。

勉強不足を痛感し、意気消沈する。

家族に励まされるが、通じない事実は如何ともし難い。

そんな僕の前にたまたまアイスクリーム屋さんがあった。

もうやけ食いをしたい気分だった。

僕は写真を指さし、店員さんに「アン、シルブプレ」と伝える。

店員さんは僕のことばを理解し、アイスクリームを1つ用意してくれた。

 

それがメイプルシロップかけアイスクリームだ。

いらすとや (www.irasutoya.com)

カナダのメイプルシロップは美味い。

僕は甘いものはそれほど得意ではないのだが、本場カナダのメイプルシロップは美味い。

考えられないほど芳醇だ。

僕はシロップの美味さに感激し、あっという間にアイスクリームを平らげてしまった。

食べ終わったあとも、口の中に幸せの味が広がっている。

とにかくもう美味すぎるのだ。

もしもカナダに行くことがあれば絶対に食べたほうが良い。

僕は両親にもこのアイスクリームを食べて欲しくなった。

店員さんに「最高だった」という意味で左手の親指を立て、「もう2つ欲しい」とフランス語で言って、右手でVサインをした

店員さんは僕があまりの美味さに感動したことを悟り、「メルシー、メルシー」と言って、アイスの準備を始めた。

僕は財布から自分の小遣いを取り出す用意をして待っていた。。

 

数分後、僕の前に12個のアイスクリームが並んだのだった。

 

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