本場の料理と僕
昔から、海外に行くときはなるべく、現地の人が食べるものを選んで食すようにしている。
必ずしもそれが美味しいわけではない。
寧ろ大はずれなことのほうが圧倒的に多い。
「はずしたくなければ中華を選べ。」
そんな知る人ぞ知る金言があるほど、中華料理の安定感は高く、地元の料理のハズレ率も高い。
だからリスクを乗り越えて、大当りの店に出会うと一際嬉しいわけだ。
不思議なことに、大はずれの店に出会っても、同じくらい楽しいし、寧ろ鮮明に記憶に残る。
今回はどちらかというと、当たりではないほうの店で食べたときの話だ。
アメリカの代表的料理と言えば?
個人的な感想かもしれないが、アメリカのハンバーガーは美味しい。
素朴というよりも、素材そのままの味で勝負しているところが多い。
肉肉しい肉が美味しいのだ。
これはボキャブラリーが貧困なのではなく、かなり的確な表現をしていると思う。
よって問題なのは味ではない。
ロサンゼルスに行ったときの話だ。
知り合いにいろいろな場所を案内してもらって、空腹になったので地元のハンバーガーショップに行った。
僕たちはオーダーをして、テーブルにつき、そのあとの計画を話していた。
10分以上しても音沙汰がなく、「ハンバーガー屋さんにしてはちょっと遅いな」と思っていたところに店員さんが笑顔で料理を持ってきてくれた。
フライドポテトの箱が広辞苑くらいある。
狙いが全く解らない。
いや、ポテトは好きだし、美味しいのだけれど、こんなには食べたことがない。
僕たちは店員さんに感謝を伝えて、チップを渡した。
眼前に広がるポテトの山。
ポテト畑でつかまえて、というよりも捕まっている状態だ。
対してバーガーの大きさは日本のそれと較べてやや大きい程度だ。
だからバーガーを食べ終えたあとも、ポテトは80%近く残っていた。
そして僕たちは蟹を食べているときよりも無口になりながら、ポテトを口に運び続けた。
ちなみにジュースはMを頼んだはずだが、居酒屋の大ジョッキの大きさのものが出された。
サイドが...サイドが強すぎる。
メインのハンバーガーの記憶が全く残らないほどに、サイドメニューが強すぎる。
なんと次回に続く