まる猫の今夜も眠れない

眠れない夜のお供に

汚い心をした大人がなぞなぞに挑戦する【パイロット版】

なぞなぞ1

知り合いの息子さんはかつてなぞなぞにハマっていた。

たまに会うと、2、3問出題をしてくれたものだ。

その男の子の場を和ませようとする優しさがシンプルに嬉しくて、ちょっと楽しみにしていたところもあった。

しかし彼の出題の中で、歪んだ心を持つ僕には納得ができなかったなぞなぞが2つある。

1つ目がこれだ。

 

よく転ぶ科目はな〜んだ?

いらすとや (www.irasutoya.com)

一応、僕は教育関係の執筆をさせていただいている。

教育法規は全くもって専門外だが、それでも外すはずがない。

そのとき、僕は古典 (コテン)と答えた。

少年は間髪入れずブッブ〜と言う。

な?違うのか?

そして少年は続ける。

正解は図工(ズコウ)で〜す。

少年よ、待つのだ。

古典が正解ではないか。

実は、このなぞなぞにおける問題点は「科目は何?」と聞いてしまったことにある。

答えを図工のみとしたいならば「教科は何?」と尋ねるべきだった。

教科と科目は違う。

簡単に言うと、「社会」という教科の中に、「世界史」、「日本史」、「地理」などの科目があるのだ。

(厳密には教科名・科目名ともにもう少し複雑だ。)

古典は科目であり、図画工作は教科(そもそも小学校の授業のもの)である。

よって出題の仕方からすると、古典にやや分があるはずだが、そもそも図工も古典も厳密な正式名称ではない。

痛み分けだが、大人な僕は「いや〜、間違えちゃった〜、テヘペロ〜」とリアクションを取ってみせた。

少年は「うわ〜、きも〜い」と心にもないことを言って、場を和ませようとしていた。

 

なぞなぞ2

少年はなぞなぞを続ける。

いま、なんじ〜?

僕は時計を見て、その時の時間を答えた。

少年は間髪入れずブッブ〜と言う。

な?また違うのか?

少年は続ける。

正解は2文字で〜す。

少年よ、待つのだ。

あまりの展開についていけていない。

確かに「私、綺麗?」とか「君、誰?」のような文では、助詞が表面上なくても意味が理解できる。

それは文脈に依存をしているからだ。

そして少年が座っていた角度からは時計は見えず、だから僕に聞いたという文脈があるではないか。

いや、よそう。

あまりにも大人げない。

僕が童心を失っているだけだ。

エンターテイメントを楽しめないなんて、つまらない大人になったものだ。

僕は少年に出題をしてくれたことを感謝した。

事実、彼のおかげで時間が飛ぶように過ぎた。

僕もなぞなぞを嗜んでみようかしら、と思ったほどだ。

少年は別れ際にこう言って、家路についた。

 

もう少し勉強しないとヤバい大人になっちゃうよ!

maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp