部屋と空気清浄機と私
昔、あるフェミニストのかたが「男性とコミュニケーションするときは全く別の生き物と話していると思いなさい」と世の女性にアドバイスを送っていた。
要するに「話を全く解ってもらえない生物」だと思ったほう気が楽になるいうことらしい。
しかしそれではあまりにも寂しいではないか。
僕は互いを理解し、楽しく生きていきたいのだ。
しかしながら、何故か奥様を苛立たせてしまう。
奥様はふだんはとても温厚だ。
いろいろなことに気が付く女性だと思う。
ただスイッチが入るとケンシロウのような喋り方になる。
最近は窓を開ける機会が増えて、我が家の空気清浄機は稼働を停止していた。
奥様は「部屋が狭くなるし、清浄機をしまうね」と言って、段ボールに入れようとしていた。
僕は間髪入れず「清浄機よ、永遠なれ」と言う。
解っている。
僕が間違っている。
でも言いたいのだ。
奥様は劇画調の顔になり「言いたいことはそれだけか」と言って作業に戻られた。
男性の皆様、ご存知でしたか?
思いついたからと言って、言いたいことを言ってはいけません、ポイズン。
朝のキッチンは戦場
家庭を持つ女性にとって朝は1秒でも時間が欲しい。
メイクや朝ごはんの準備に一苦労だからだ。
「メイクに時間がかかる」というと、男性は理解に苦しむかも知れない。
けれども男性が作ってきた社会が女性にメイクを強要している側面があることも理解しておかねばならない。
奥様は買い出しに行く日だけはメイクをされる。
そしてそのあとで家族の食事を作る。
奥様曰く、「朝のキッチンは戦場」なのらしい。
僕もテーブルを拭いたり、ゴミを捨てたり、洗濯物をまとめたりするが、キッチン内の奥様は鬼気迫るものがある。
僕はそんな奥様を和ませようと、小粋なジョークを言う。
「昔の金持ちの子供が食べるおやつとかけまして、服役囚の夢と解きます。」
しばらく沈黙が続いたあと、奥様は劇画調の顔になり「あっちへ行っていろ」と言って作業に戻られた。
男性の皆様、ご存知でしたか?
朝の忙しい時間に小粋なジョークを言ってはいけません。
ちなみにその答えは「どちらもショートケーキ(刑期)がつきものでしょう」であった。
コメントはいらない
仕事から帰ると奥様が1日の出来事を話してくれる。
自分の1日だけでなく、奥様の1日も共有できると、人生が2倍になった気がしてとても嬉しい。
しかしこの場面であるが、実はかなり難しい判断を迫られているのだ。
それはすなわち、コメントをするかしないかということだ。
奥様の話を聞いて、自分が思うことを言うと「そんなことは聞いていない」と言われる。
かと言って、何もコメントしないと「ちゃんと聞いているのか」と言われる。
男性の皆様、ご存知でしたか?
女性にはただ話を聞いて欲しい瞬間があるのです。
したがって、無理にオチをつけたり、自分の考えを押し付けたりせず、女性の感じたことに寄り添うことが大切です。
ですから、僕は奥様が1日の話をしてくれるときは、話をしてくれることに感謝をして耳を傾けます。
すると奥様はこうおっしゃいます。
「そんなにかしこまって聞くのは止めて欲しい。」
この件に関しては迷宮入りということでお願いします。
maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp