ボブ・アゲイン
コニチワ!留学生のボブ・コネルマと言いマス。
今日もまる猫に代ワテ、ボブがお送りシマス。
まる猫は家のトイレの便座が温かくならなくなって数年が経っているンだって。
さっきも「冬が始まってしまふ」と遠い目をしていたYO!
便座が温かくならない冬のトイレは哀しみを生み出すだけだYO!
日本語ハ難シイ
昨日、バイトに行きまスた。
店が暇だったノデ、ずっとあっちゃんを眺めていまスた。
あっちゃんカワイね。
日本来てヨカタよ。
あっちゃんは食器を拭いて、綺麗に重ねていタヨ。
そして店の床を掃除してマスた。
きれい好きダネ。
Fuuuuuuuuuuuuu!
興奮してきたYO!!
あっちゃんとケコンしたいYO!
ボブの国に連れて行って、一緒に農場でポテトを作りたいYO!!!
もちろんボブもあっちゃんを眺めるのに一生懸命だっタヨ。
そうしたらヌマノが「おい、ボブ、つったってないで仕事しろ」とか言うんダヨ。
ボブ、ヌマノは嫌イ。
なんだか天空の城みたいな髪型をしてるんダヨ。
ん、ちょっと待ッテ。
つったっての「つっ」ってナニ?
ボブはそう思ったノデ、ヌマノに聞いタ。
「ヌマノ〜、つったっての『つっ』ってナニですか?」
「はぁ、『つっ』?何いってんだ!さっさと仕事しろよ!」
ボブは途方にくれていると3日前にヨーロッパから日本に来たギスキデ君が言ったンだ。
「『つったって』の『つっ』は漢字で書くと『突っ』となるらしいから、おそらく『突出して』『目立って』という意味ではないかと思うよ。」
ギスキデ君の突然の言葉にヌマノもボブもしばらくの間ぽかんとしていタヨ。
多分まだ日本語が解らないんダネ。
気を取り直してボブはヌマノに「仕事ってナニをしたらいいか?」と聞いタ。
ヌマノは「スプーンを並べろよ」と言ウ。
ボブは「スプーンはどこにアルカ?」と尋ねタ。
ヌマノは「向かって左の引き出しにあるだろ?」とイライラしていた。
向かって左?
この表現は何回聞いても本当に解らないンダヨ〜!
耳にするたびに「どういうこと?」ってなるんダヨ〜!
「結局それはどっちなんダヨ!」とわけが解らなくなるヨ。
ボブは夕日の方を向いて引き出しを開けた。
そこにはヌマノの財布が入っていたネ。
ごっつぁんでス。
またキマス。
サヨオナラ。
そう言って、店を出たらヌマノが鬼の形相で追いかけてきタヨ。
執念深いよネ〜。
この記事はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係がありません。
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