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【感動の救出劇】消えた小学生 (後編)

※ この内容は以下の記事の続きです。

maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp

消えた小学生

いらすとや (www.irasutoya.com)

ボンちゃん軍団とのかくれんぼ対決の火蓋が切られた。

まずは僕たちが隠れることになった。

僕たちは思い思いに校庭に隠れたが、数分して敢え無くボンちゃん軍団に見つけられた。

恐るべしボンちゃん軍団。

しかし次のターンで、僕たちが軍団員の全てを見つければドローだ。

僕たちは5分したあとで、軍団を探し出した。

校庭内に隠れるルールがあったので、割と簡単に軍団員を見つけることができた。

僕たちもまんざら捨てたものではない。

しかしボンちゃんが見つからない。

もう「いつでも探しているよ、どっかにボンちゃんの姿を」という感じだ。

すべり台のそば。

トンネルの中。

そんなとこにいるはずもないのに。

僕たちは本当に校庭の隅から隅までを探し回った。

しかしボンちゃんはどこにもいなかった。

軍団員も捜索を手伝ったが、それでもボンちゃんは見つからなかった。

僕たちはボンちゃんが校庭内で隠れるというルールを破ったのだと思った。

そして軍団員ともどもボンちゃんのルール違反に文句を言い、腹を立てて家に帰ったのだ。

 

ボンちゃんよ、いずこ

その日の晩、8時くらいだろうか。

ボンちゃんのお母さんから電話があった。

ボンちゃんが家に帰っていないとのことだ。

僕はてっきりボンちゃんは家に帰っていたとおもったので、その話を聞いてびっくりした。

小学校でのかくれんぼに参加していた全ての子どもの家に電話をかけても、ボンちゃんの行方は解らなかった。

僕たちは責任を感じ、8時半くらいに小学校に集まった。

そして親同伴でボンちゃんが行きそうな場所を探した。

しかしどこを探してもボンちゃんはいない。

僕たちは不安になり、ボンちゃんとのかくれんぼ勝負を受けたことを後悔した。

ごめん、ボンちゃん。

ちゃんとあのとき、「うるさい、黙れ!」と言ってあげていれば、こんなことにはならなかったのに。

僕たちはいったん小学校に戻り、これからのことを相談し始めた。

やはり警察には知らせるべきだろう。

ボンちゃんのお母さんも心配で居ても立っても居られない様子だ。

そんなとき、消え入るような小さな声がした。

「助けてくれぇ〜...」

最初は気のせいかと思った。

しかしまた暗い小学校に弱々しい声がする。

「助けてくれぇ〜...」

僕たちはおばけの声を聞いてしまったと思った。

保護者がそこにいなければ、多分僕たちは恐ろしくて泣いていただろう。

僕たちは話し合いをしていた保護者を呼び、声のするほうへと歩いていった。

だんだん、その声がはっきりと聞こえようになった。

その声は用具倉庫からしていた。

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倉庫には鍵がかかっていたし、昼の時点でここは探してた。

まさにこんなとこいにるはずもないのにだ。

しかし声は頭上から聞こえた。

上を向くと、倉庫の上でボンちゃんが小さく手を降っていた。

ボンちゃんは倉庫の上に登ったはいいが、降りられずにいたらしい。

良い子はくれぐれも真似しないでほしい。

近くの家の人がはしごを持ってきてくれたおかげで、ようやくボンちゃんは生還できた。

良かった良かった。

これで一件落着だ。

そこにいたみんなが笑顔になった。

そしてボンちゃんは泣きながらお母さんに抱きつこうとする。

しかしお母さんはボンちゃんにおおきく振りかぶってビンタをした。

ボンちゃんは「あべし」といって、倒れ込んだ。

僕は人が「あべし」というのを初めて聞けて、とても感慨深かった。