※ はじめに全国の宇野さんに謝罪をしておきます。
その謝罪を受け入れていただいた上で本題に入りたいと思います。
※ この内容は以下の記事の続きです。
maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp
テントの中で
キャンプ場でカレーを美味しくいただいて、キャンプファイヤーを前に歌を歌って過ごしたあと、子供は寝る時間になった。
そしてそれは町内会の大人たちが楽しむ時間でもあった。
僕たちは大人たちがビールを飲みながら歓談に興じるのをいいことに、テント内で遊びまくる計画を立てていた。
テントはキャンプ場備え付けのものか、町内会の大人が前もって張っていてくれたものかは解らなかったが、子供が4、5人入っても遊ぶのに充分な大きさがあった。
僕、マオ、タカダ、バンバの4人がテントに入るとすぐに、とんでもない大きさのムカデを発見して、雄たけびをあげてしまったことを覚えている。
人間が突然度肝を抜かれると「ウララァァ〜!!!」と雄たけびをあげてしまうことを知った夜でもあった。
何とかムカデをテントから追い出し、タカダが持ってきたカードゲームが始まった。
楽しい夜だ。
テントの中に吊るされたランプがぼんやりと仲間たちの笑顔を映している。
こんな経験をさせてくれた保護者の皆さんにも感謝した。
そしてタカダが手持ちのカードが1枚になりこう言った。
「UNO!!!」
するとツカツカと足跡がして、テントの入口が開く。
「宇野って言うんじゃねぇぇぇぇぇ!!!」
本山の怒号が闇夜を切り裂いた。
ええぇ〜。
違うんだ、本山。
これはUNOというゲームで、手札を無くした人が勝ちなんだ。
そしてプレイヤーの手札が残り1枚になったら「UNO」と言わないとペナルティが発生するんだ。
そう言いたかった。
けれどもそう説明する前に本山の怒りは爆発していた。
「いいか、もう1回俺のことを宇野と言ったらお前らのことを呪うからな!!!」
怖すぎる。
恐怖の与え方が独特すぎる。
具体的にどうなされるおつもりなのだろうか。
「お前らのことを殴るからな」と言われたほうがどれだけ気が楽かしれない。
元はと言えば確かに僕たちが悪いのだが、今回の件は誤解だ。
事情を説明したいが、本山の剣幕が凄いのと、呪いをかけられるのが怖すぎてできない。
そして本山は僕たちのテントに漫画を持ってきて、居座り始めてしまった。
これでは小さな声でUNOということすら許されない。
漫画を読みながらも、常に本山の目が光っている。
その後、僕たちは手札が残り1枚になったらもれなくペナルティーを受けることになった。
誰もが勝利にたどり着くことが出来ない終わりなき戦いは、町内会の大人が歓談に疲れて眠ろうとテントに戻るまで続けられた。
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