英単語が覚えられない
「英単語が覚えられない!」
「覚えたものがテストや会話で出てこない!」
そういう悩みをよく耳にする。
教育関係の執筆をさせていただいているせいか、僕のような人間のところにも、保護者の方が相談に来られる。
最も多いのが「うちの子の英語力を伸ばすには、いったい何をすればいいですか?」という質問だ。
来られる保護者の方は、たいてい学校のテストや大学入試のことを心配されている。
僕なりにそういうケースを分析すると、原因のほとんどが単語にあることがわかった。
つまり英文法は理解しているけれど、単語が解らないから問題が解けないというケースがほとんどなのだ。
英単語はどう覚えるか
例えばkpjehlv、bngoclq, rlfazxwという文字列があったとする。
もちろんこんな単語はない。
僕が適当にタイピングしたものだ。
重要なのは「これらの文字列を覚えられるか」ということである。
僕ならば不可能だ。
僕は暗記が苦手だ。
では覚えられない理由は何なのだろうか?
答えは簡単だ。
人間は意味のない羅列を覚えられないのだ。
英単語も同じで、意味のない羅列としてとらえてしまうと覚えることができない。
ならばどうすればいいか。
答えは簡単だ。
英単語を意味のある塊でとらえればいいのだ。
英単語の覚え方
よくある例で説明をする。
subwayという単語がある。
意味は「地下鉄」だ。
この単語を意味のある塊に分解するとsub + wayとなる。
subは「下の」くらいの意味であり、wayは「道」だ。
2つを足せば「地面の下を通る道」となり、「地下鉄」を想起するができる。
実はアメリカの国語の授業でも単語をこのように分解して教えている。
そして単語を分解する上で知る必要があるのは語源だ。
このような学習方法をすすめるにあたって、僕が最適だと想う教材の1つが「語源でわかった!英単語記憶術」 (山並陞一著)である。
山並先生曰く、100語程度の語源を知ることで、大学入試に出題された単語の8割を覚えることができるらしい。
そしてこの本には100語以上の語源が紹介されている。
とても効率よく英単語をものにするメソッドが用いられているのだ。
例えばriver (川)。
このriverは誰もが知っているいろいろな単語に繋がっている。
川岸へ渡るのを競う相手のことを何と言うだろう?
そもそも川岸に到着することを何と言うだろう?
さらにriverは英検準一級以上に必要な単語ともリンクしている。
こんな風に謎解きをするかのように、単語が頭の中に入っていく。
またこの本は読み物として読んでも面白い。
語源とつながりのある、古代のヨーロッパの文化や風習にも触れることが多い。
英語は苦手だが、歴史好きな人にはもってこいの一冊である。
そしてこの本は単語がなぜその意味になるかを説明してくれる。
ものごとを理屈でとらえたいという人には最適である。
体感であるが、この方法論がしっくりくるという人には理系が多いと想う。
このように英単語を覚える際には語源を用いる方法がある。
この方法だと、英単語を覚える上で経済的だし、その行為が無味乾燥な作業にならないで済む。
個人的には最適な英単語記憶方法だと思う。
1つ気を付けていただきたいのは、この本は高校生以上が読む分には問題がないと思うが、中学生以下に読ませる場合はやや難しいかもしれないということだ。
かなり根気がいる。
辛抱強くないのであれば高校生でも投げ出すかもしれない。
そういうケースでは、まずは保護者の方がこの本を読み、要点のみをお子様に伝えるのがよいと思う。
ただ、この本にハマると間違いなく単語力があがる。
中学生以下が読むのに向いている語源学習の本は別の機会に紹介させていただきたいと思っている。