雨上がりの街を走ると
天気予報によると昨日は雨が降らないはずだった。
梅雨時の晴れ間はジョガーにとっては貴重であり、僕は2時間くらい走る計画を立てていた。
ところが実際は快晴どころか土砂降りであり、ジョギングどころではない。
一晩開けて今日になると天気は回復し、ちょうど仕事も一段落ついていたのでジョギングを楽しんだ。
雨上がりなので、湿度は高かったが、僕は久しぶりに走れる喜びに満たされていた。
公園周りを行くと、数匹のミミズがアスファルトの上を移動していた。
雨上がりになるとミミズが地面に出てくるのは何でだろう。
僕はミミズを踏まないようにステップを踏みながら、はるか先の折り返し地点を目指した。
そのとき、なぜだか解らないが、昔のクラスメイトのあっちんのことを思い出した。
あっちんでは解らない人にはクリスマスあつしと言えば解るだろうか。
あっちん
あっちんとは小学校、中学校と何回かクラスが一緒になったことはあるが、特に仲が良いというわけではなかった。
「ウンボ」と言うと、「ンボボボーイ」とハイテンションで答えてくれたあっちん。
ロックマンのステージセレクトの音楽テレッテレーレーテレッテレーレーテレッテテレッテテーテテレレー♪という曲を口ずさむと、授業中でもボスの動きをしてくれたあっちん。
ラジオ体操が第一も第二もできることを自慢していたあっちん。
クリスマス会のプレゼント交換で、銘菓を持ってきていたあっちん。
体育でバスケをしているときに「パスパス!」とずっと言っているのに、1回もパスが渡されなかったあっちん。
小学校高学年になって急に異性を意識しだして、ヘアジェルを使い始めたあっちん。
ヘアジェルの使い方が解らずベートーベンのようになっていたあっちん。
異性を意識するようになってから、「ウンボ」と言っても何も言ってくれなくなったあっちん。
女の子の前でくだらない話をしていると、「そんなガキっぽい話やめろよ」と注意をしてくれたあっちん。
先生から運ぶように頼まれた教材を落としてしまった女の子に、「あ、俺が手伝うよ」と言ったところ、「大丈夫ですから」と敬語で言われていたあっちん。
バレンタインの日の放課後、下駄箱でうずくまっていたあっちん。
なぜだろう、こんなにいろいろなことを覚えているのに、あっちんに会いたいとは全く思わない。
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