はじめに
一言で「先生」と言っても「公立学校の先生」と「私立学校の先生」では仕事の内容に一部違いがあります。
そもそも「公立学校の先生」は公務員であり、自分の努めている学校が経営難で潰れるということはありません。
また一言で「私立学校の先生」と言っても、建学の精神が各学校で異なるため、校則や教員の服務規程などに違いがあります。
ここで触れる内容は必ずしも読者様の身近におられる先生の実態を表すものではないことをご了承ください。
先生に聞いてみた!
また日本中でインフルエンザが猛威を振るっている。
学級閉鎖になるクラスが後を絶たないらしい。
そしてもちろん先生もインフルエンザに罹れば職場である学校に来ることは出来ない。
それは致し方ないことである。
しかしそうなると何が起こるのか?
単純に人手が足りなくなるのである。
話を聞かせてもらった先生も人手不足のために疲労していた。
話を聞かせてくれた先生によれば、教育現場は慢性的な人手不足とのことだ。
例えばある先生が年度途中に育児休暇を取られたとする。
当然の権利なのでそれはどんどん行使すればいいと思う。
ところが特に中学校以上だと年度途中に育児休暇を取られた先生分の人員を補充できない場合があるらしい。
せめて学期の区切りの場合ならばいいが、学期の途中での育児休暇となると、後任の教員を探すのはかなり難しいらしい。
まずもって代理の先生は見つからないが、仮にいたとしても、その人が技術的にも人間的にも教えるに充分な人材であるかはわからない。
誰でもいいというわけではないのだ。
(それでも「人手不足よりは良い」ということで不適切な人物を採用してしまうと、新聞やニュースでよく見るようなさまざまな問題が起きるわけだ。)
では人員が補充できないと何が起こるのか?
まずはその人の授業の代行を他の先生が行う。
当然、代行を行う先生の負担は大きくなるわけだ。
そしてその状態でさらに同じ学年の先生がインフルエンザなどに罹って出勤出来なくなったとする。
そうなると出勤されている同じ学年の先生がフォローに回る。
しかし育児休暇の先生をフォローした上で病欠の先生をフォローするとなると、学年としてフォローが出来なくなってしまうことがある。
(あまり良くないことであると思うが)自習をさせるにしても自習監督が出来る教員が学年にいなくなってしまう。
いくら自習と言っても教員なしに行うことはできない。
その状況になると、他の学年からヘルプが来ることがある。
けれどもそうなると他の学年の教員が今度は疲弊することになる。
このように基本的な持ち時間の他に、学校の先生は他の先生をフォローしているのだ。
そしてそれが故に少しずつだが確実に先生方の疲労は蓄積していっている。
話を聞かせてくれた先生は「生徒が第一だから、人手不足であろうと頑張るよ」と笑っていた。
心なしか先生の背中が少し曲がっているように見えた。
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