はじめに
一言で「先生」と言っても「公立学校の先生」と「私立学校の先生」では仕事の内容に一部違いがあります。
そもそも「公立学校の先生」は公務員であり、自分の努めている学校が経営難で潰れるということはありません。
また一言で「私立学校の先生」と言っても、建学の精神が各学校で異なるため、校則や教員の服務規程などに違いがあります。
ここで触れる内容は必ずしも読者様の身近におられる先生の実態を表すものではないことをご了承ください。
先生に聞いてみた!
先生になるためには教育実習を経験する必要がある。
教育実習で実際に授業をしてみて、多くの学生は教えることの難しさを実感する。
教育実習生は実習の終盤に評価授業というものを行い、さまざまな先生に自分の授業を見てもらう。
焦りで自分が何を言っているか解らなくなっている教育実習生もいるらしい。
それも初々しくて微笑ましい。
「実際のところ教育実習ってどうなんですか?」とある先生に聞くと、その先生は「大切なことだよ」と答えてくれた。
「もちろん大変なこともあるんだ。」とその先生は続けた。
話を聞かせていただいた先生によれば、多くの教員が教育実習生にはかなり好意的であるらしい。
教員は教育実習生を「同志」だとか「弟子」というようにとらえるのだろうか?
「自分も教育実習に行ったなぁ」と思うのだろうか?
いずれにせよ、大抵の場合はかなり親身になって協力してくれるようだ。
しかしそれは教育実習生が教師になろうとしている場合だ。
(そうでない場合もたいてい学校の先生は教育実習生には優しいらしい。)
にわかには信じがたいかもしれないが、「教育実習生の数」=「教師になりたい人の数」ではないのが実情だ。
話を聞いた先生の学校では実際に教師になるために教育実習に来る学生は20%いないとのことだった。
企業に内定をもらっている状態で教育実習に参加する学生もいるらしい。
なぜ教師にならないのに教育実習に参加するのかと思われるかもしれない。
その理由は教員免許を持っていると就職活動で有利であるという伝説が以前あったからだ。
とんでもない話だが「大学生活の記念」に教育実習に参加する人もいるらしい。
それでも子どもたちと真剣に向き合ってくれるならばいいが、中にはそれすらもしようとしない学生もいるらしい。
クラスには色々な生徒がいる。
心の問題を抱える生徒。
家庭や人間関係で悩みを抱える生徒。
学習に不安を感じる生徒。
いい先生であれば時間をかけてそういう生徒たちと触れ合ってきているはずだ。
言葉は悪いが、教育に真剣に向き合わない実習生がそのつながりを壊してしまうこともある。
そうなると被害者はクラスの子どもたちになってしまう。
話をしてくれた先生は「授業は下手で当然、でも子どもとの触れ合いは大切にしてほしいな」という。
そして「それでも教育実習に来る学生が将来いい先生になってたくさんの子どもと向き合ってくれると嬉しいよ」と続けた。
考えさせられる問題だと思った。
ちなみに受験に直接関係する学年には通常は教育実習生が配置されることは少ない。
だからなおさら学力よりも子どもたちと向き合いたいという気持ちのほうが大事だったりするようだ。
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