指圧師の仲嶺さん (仮名) 【中編】
前回は「そして僕は誰もが思いもしなかった解決策を見出すのであった」という感じで終わった。
その続きを語る前に話さなければならないことがある。
「前編で指圧師の仲嶺さんが出てすらいないのに、このうえ語る話などあるか!」とおっしゃられるかもしれない。
ただ聞いてほしい。
これから話す内容は本編を理解するうえで全く必要がない本当に取るに足らない情報であり、しかも全く面白くないのである。
敢えてタイトルをつけるならば、「あなたは待合室でダンスをしたことがあるか?」くらいが相応しい。

この記事は子供が習い事をしている間に待合室で書かれているのだが、僕の手の甲に蚊が止まっていた。
思わず叩いてしまったのだが、寸止めに近かったせいか蚊はピンピンしていた。
ピンピンしていると言ってもしばらくは飛べそうにない感じだ。
僕は一寸の虫にも五分の魂という言葉を信じ、床に落として回復する時間を与えた。
そして「回復したら好きに飛んでいけ」と小さな声でつぶやいた。
なんとなく良いことをした気分になり、PCのキーボードを打つ速度もあがる。
しかし、しばらくすると僕の手の甲に異変が起こる。
拳ダコのように刺された部分が膨らんできた。
しかも尋常じゃない痒さが襲ってくる。
それだけにおさまらず、体の「WHY?なぜに?」という箇所が痒くなる。
どうやら数カ所刺されていたらしい。
僕はあまりの痒みに自我をなくし、蚊がいるかも知れない地面に猛烈なスタンピングを始めた。
見る人が見たら炎のようなジルバを踊っているように見えただろう。

さて、「そして僕は誰もが思いもしなかった解決策を見出すのであった」の続きである。
首が痛くて上を向いていないと吐き気がしてしまう僕がそれでもジョギングをするために編み出した解決策である。
簡単だ。
「首に負担をかけないように前傾姿勢で走る」のである。
名曲「PERFECT HUMAN」の(サビ後?の)ダンスを思い浮かべてもらえるとイメージしやすいかもしれない。
見目麗しいかっこいいダンスである。
それで解らなければ、スキージャンプの跳ぶ前の感じを想像してほしい。
というわけで首の痛みを取るために僕は前傾姿勢を取りながらジョギングをした。
そして大方の予想通り、敢え無く前のめりに転んだわけだ。
そのとき僕は思った。
「僕にはマッサージが必要だ。」

※ ジョギングするときにアガる名曲です。