スキンケアと私
結果としては青のりであった。
具体的にはお好み焼きの青のりだ。
実のところ僕は青のりが苦手なのだが、その日我が家はかつお節を切らしていたため止むなくお好み焼きにふりかけたわけだ。
慣れないことはするもんじゃない。
青のりが僕の頬に舞い降りた。
どうしようもない青のりが僕に舞い降りたもんだ。
その青のりを僕はシミだと勘違いし、取り乱したわけだ。
動揺を察知して奥様は僕を騙し、スキンケアの世界へと誘ったわけだ。

青のりなのだから乳液を買って家に帰る頃にはもう僕の顔には黒い斑点がなくなっていたわけだ。
「何もしていないのにもうスキンケアの効果が?」と思ったが、せっかく買ってしまった乳液を使わないのも勿体ないということで取り敢えず寝る前にスキンケアをした。
結果としては奥様と青のりに感謝している。
楽しいもあるが、安らぎが強い。
何が怖いって知らぬ間に自分が老いていることが怖いのだ。
僕が頬の斑点に取り乱したのもそういうわけだ。
スキンケアにはその恐怖を軽減してくれる機能があり、それが安らぎにつながるのだと思う。
もうサウナに入っていないのに心が整う感じがする。
筋トレやジョギングにもつながる感じだ。
今日は少し筋トレをし、8キロほどジョギングをし、スキンケアをしたためかとても充実感がある。
全く仕事をしていないのに充実感を感じられてもと奥様は思うだろうが、そんなことはどうでもいい。
もしもあなたが配偶者の男性や恋人にスキンケアをすすめたい場合はここまでの内容を伝えるといいと思う。
それでも駄目なら、「スキンケアを始めたら会社で女性とのコミュニケーションのきっかけになるかもよ」などと言ってみるといいだろう。

風呂上がりに乳液をたっぷり付けた今も心はかなり整っていると言える。
先ほどスイスから着信があり、多額の金銭を要求されたが、やはり精神が整っているせいか、スイスの高原に心をはせる余裕すらある。
はて、スイスに長電話でもしたかしらん、と回想してみるが、スイスの知り合いといってもハイジとペーターしかいない。
ちなみに向こうは僕のことを知らない。
やはり何かの間違いだろうと僕は履歴と留守番電話の録音を消したのであった。
そして明日は給料日なので、乳液以外も買ってみたいと思うのであった。
※ 私愛用の乳液。