締め切り迫る
依頼していただいた原稿の締切が迫る。
僕はだいぶアナログな人間だ。
出版社さんに用意していただいたフォーマット原稿を印刷して、手書きで文章を書く。
何回も何回もペンで原稿を書いては塗りつぶし、推敲に推敲を重ねる。
10回くらい文章を修正してようやく原稿1枚が完成する。
そしてこの完成した手書き原稿をコンピュータに入力する。
我ながら無駄の多い作業方法だと思うが、なんとなくコンピュータに向かってでは文章が浮かばないのだ。
やはり紙の原稿を目の前に置き、頬杖をつきながらでないと考えがまとまらない。
そしてコンピュータに入力をしたあとで内容に間違いがないかを幾度となくチェックする。
さらに僕がチェックしたものを編集の方々が何重にもチェックする。
この手書き原稿をコンピュータに入力するときだけはテレビを見ながら作業をすることがある。
繰り返すが、入力したあとに一文字一文字正しいかチェックをする。
だったら入力のときにテレビを見ずに行えば作業時間が減るだろうと思われるだろう。
おっしゃる通りだ。
しかしこればっかりは理屈ではない。
頭を遣い続ける仕事の中で、一時だけでも何も考えない時間が欲しいのだ。
結果として作業時間が長くなろうとも、その「頭を空っぽにする時間」を挟むことで全体の原稿のクオリティーは上がっていると思う。
結局1番見ちゃう番組
漫画夜話でも書きたいと思うのだが、素晴らしい作品というのは共通点がある。
それは何度も見られるということだ。
僕は原稿をコンピュータに入力をしながら、その番組の同じエピソードを冗談抜きで10回以上見る。
その番組とは「孤独のグルメ」だ。
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「見る」とは言っても、常に視線はコンピュータに向いているので、ドラマから醸し出される雰囲気を味わっているに近い。
ふと考え事をするために、視線をコンピュータから外らしたときに映る松重豊さんの何とチャーミングなことか。
優しさが滲み出ていて、ホッとする。
しかもセリフはほとんど別撮りなので、松重豊さんはサイレントで演技をしていることになる。
凄い演技力だ。
また「孤独のグルメ」で描かれる料理が美味しそうに見えるのは当然かも知れないが、実は音楽もおしゃれだ。
耳に心地よい。
後半のご飯を勢いよく平らげていくシーンになると、こちらの入力速度も速くなる。
ドラマが終われば、再び最初に戻して見直す。
何回観ても全く飽きない。
そして脳と体が癒やされて、入力の作業が終わるのだ。
唯一の難点は作業が終わる頃には毎回異常な空腹に襲われることだろう。
追記
原稿の入力のことについて多く書いたが、実際にはブログを書いているときも「孤独のグルメ」はずっとテレビに映されている。
原稿の入力は全体で2時間くらいだが、ブログは1週間に平均10時間以上使って書いているので、実際はこちらがメインの視聴時間だと言える。
※ 漫画「孤独のグルメ」を読んだことがない方は是非読まれることをおすすめする。
漫画版はテレビ版とは少しテイストが異なるが、両方好きだという人も多い。
僕は数少ない「孤独のグルメ」よりも「食の軍師」派なのだが、それでも漫画版「孤独のグルメ」は名作以外の何物でもない。
※ よろしければ以下の記事もどうぞ。