煮詰まるGT
僕は教育関係の執筆に関わらせていただいている。
詳しく書けないのが申し訳ないが、僕なんかがしていい仕事ではないスケールのものである。
身に余る光栄にいつも感謝をしている。
僕なんかをチームに入れてくださった大先輩と出版社の皆様、いつも本当にありがとうございます。
そして依頼されている原稿の締切が迫ってきた。
僕は遅筆ではない。
たいていチームの中で最も早く原稿をあげる。
そして今回の依頼は結構ハードなものだったので、締切のかなり前から着手していた。
そのかいあってか、実は90%以上書き終えていた。
しかしここにきて遅々として進まなくなった。
小説家がアイデアが出ずに苦しむというものとは少し違う。
教育関係の執筆は学生や教師が使いやすいようにすることが求められる。
そして彼らが使いやすくするためには、自分の書いた内容を俯瞰で見て、足りない部分を想像して埋めることが必要となってくる。
ここが1番重要で、1番難しい。
事実を書き連ねることは容易だが、想像力が働くかどうかはそのときの心の状態による。
そして今回は完全に煮詰まった。
体を整える
想像力を働かせるために、僕はありとあらゆることをする。
珈琲を飲んだり、音楽を聴いたり、思考を整理するのによいことは全てする。
しかし経験からして、一番いいのは体を整えることである。
理屈はわからないが、体が整うと思考も整うのかもしれない。
取り敢えず、まず筋トレを始める。
本日はプッシュアップを30回✕4セットした。
筋肉疲労が心地よい。
けれども、想像力が働く気配はまるでなかった。
プランクとシットアップをしても、いまいち心が整わない。
走るしかない。
NIKEの靴を履いて、昨日買ったキャップを被り、ジョギングを始めた。
5月と言えども暑いが、梅雨入りする前に走れるだけ走りたかったから、ちょうどよい機会だった。
心拍数を上げすぎないようにして、お気に入りのコースを走る。
川沿いを走れるコースだ。
魚影が見えると少し嬉しくなる。
8キロほど走って、たっぷり汗をかいた。
家に帰り、服を着替えて、執筆活動に戻る。
すると、思考が整理されていて、自分の内容で足りない部分は何かがわかったのだ。
やった、多分これで完成までこぎつけられそうだ。
そう思った僕はもっと早くジョギングをしておけばよかったと後悔した。
終わりが見えたので安心して、シャワーを浴びようとする。
その前に体重計に乗った。
僕の体重は昨日より1キロ増えていた。