前口上
人生には漫画が必要だ。
ともすれば繰り返しに見える毎日とは違う世界線の物語に触れることで、日常に意味を見出すことができる。
絶え間ない鈍痛が押し寄せる日々にも、希望を見出すことができる。
僕は時間ができると自分の本棚の前を歩き、1000冊ある漫画本から心が欲するものを選ぶことにしている。
そして手に取った作品を読み始め、それが心のすきまにピッタリとはまる場合は完結まで読み続けてしまう。
この記事で紹介する漫画は次のような人におすすめ
・本格的なミステリー漫画が好きな人
謎の描き方がまず見事で、あっという間に1冊読み終わってしまう。
物語の中で描かれたことが後半になり美しく回収されていくさまは見ていて感動を覚える。
・希望を感じるエンディングがお好みの人
物語の中には黒人差別や痛ましい事件などが扱われている。
そしてラストシーンもとてもショッキングな世界線を描いている。
それでも清々しい読了感を感じられるのは作品の根底に人類愛があるからにほかならないと思われる。
・歴史的な事件や人物が出てくることにワクワクする人
物語にはケネディー大統領、キング牧師やアインシュタイン博士などが登場し、重要な役割を果たすことになる。
また月面着陸の疑惑など都市伝説的な内容も扱っているため、好きな人にはたまらない魅力を持っている。
最近手にした名作漫画
最近没頭したのは浦沢直樹先生の「BILLY BAT」である。
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浦沢直樹先生と言えば「YAWARA!」や「モンスター」などのヒット作品を連発している天才漫画家である。
僕の本棚には「モンスター」、「MASTERキートン」や「20世紀少年」などが並べられているが、「BILLY BAT」が個人的にはベストだと思っている。
「BILLY BAT」は天才浦沢直樹先生をして賛否両論が分かれる作品だとされている。
理解に苦しむという意見もあるが、僕はラストシーンに感動を覚えた。
完全に私的な感想になるが、浦沢直樹先生の世界観は「20世紀少年」から変わってきたような気がする。
それまでの作品と較べて平和や愛がメインテーマとして色濃くなったように思えるのだ。
その最も美しい結実が「BILLY BAT」だと思っている。
この作品は未来を知るコウモリと絶望的な未来を回避しようとする人間の物語だ。
コウモリが囁いた内容を漫画家が作品にするとその内容は必ず現実のものとなる。
コウモリの言葉通り漫画家は作品を描いていくと人類に絶望的な未来が待っていることがわかる。
果たして人類はその未来をどのように回避するのだろうか。
最後の最後まで予想ができない展開が続く名作サスペンス漫画である。
次は何を読もうか。
今宵も僕は本棚の前で名作漫画を吟味している。