週刊ゴリラタイムズ【今週の俳句】
maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp
今朝の街は雪の花が咲いたかのように白く染められていた。
アスファルトの上にはわずかに積もった雪。
横断歩道で信号待ちをしていると、隣にはマフラーを巻いた女学生が立っていた。
信号が青になると、女学生は横断歩道の向こうで待っていたバスへと走っていった。
そうか、今日は受験の日か。
頑張れ受験生。
そしてこの街の景色は今回のテーマ「冬」にふさわしいと思った。
それでは大賞から発表したい。
大賞 「雪景色 暖色灯る 柚子たわわ」
(三重県 田山 敦子)
解説
真っ白い雪景色の中で柚子の黄色が映えて見える情景を詠んだ一句。
本来柚子は秋の季語であるが、ゆず湯にするためだろうか、刈り取られずに木になっているままであったのだろう。
ちなみにゆず湯ならば冬の季語となる。
その白と黄色のコントラストが美しく浮かぶような作品であった。
入選 「新雪に寝そべる黒いランドセル」
(福岡県 鳥飼 慎二)
解説
小学生の男の子が降った雪に興奮して遊んでいるという様子を描いた一句。
春の季語ランドセルを雪とマッチさせている点が評価された。
ノスタルジックな気分にさせてくれる作品と言える。
佳作 「白小道 足跡紡ぐ 息二つ」
(徳島県 豊浜 美南)
解説
子どもたちであろうか、それとも恋人同士であろうか、雪が積もった道の上を歩いて足跡ができるのを楽しんでいる様子が浮かぶ。
そして小さな銀世界に白い息が二つふわっとあがっている。
足跡を紡ぐという表現も独特であり、息の主が思い思いに雪の上を歩く様が伝わってくる。
佳作 「星かかる高い夜空とカレーまん」
(宮城県 新原 鍊)
解説
冬の夜空は澄んでいて、星がよく見える。
遠くにかかる星を見ながら帰り道でカレーまんを頬張っている様子が浮かんでくる一句である。
単純に星ではなく凍星などの冬の季語を入れられたらぐっと作品の格が上がったように思える。
論外 「ニューヨーク シャワーだけでも ニューヨーク」
(神奈川県 そんな攻撃いたしかゆし)
解説
全く意味が解らない。
それだけでなく狙いが全く解らない。
ニューヨークが寒いというのは解るが、シャワーは夏の季語であり、これが今回なぜ送られてきたのか解らない。
作者には猛省を促したい。
次回も同様の句が送られてきたら本名を公開したいと思うほどである。
次回のテーマは「野球」。
個人的には非常に興味のあるテーマだ。
論外の作品を書かれた方は次回は送らないで欲しい。
この記事はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。