週刊ゴリラタイムズ【今週の俳句2】
今回のテーマは「野球」。
やや時期を逸している感があるが、野球ファンは季節構わずいつだって野球の話で盛り上がれるもの。
昨年のWBCにおける感動的な優勝、海外で活躍する日本人メジャーリーガーなど話題には事欠かない。
今回はどんな句で紙面を彩ってくれるだろうか。
早速見てみよう。
大賞 「スタンドにアーチをかける航跡雲」
(三重県 田山 敦子)
解説
2週連続での大賞おめでとうございます。
外野スタンドの青空に飛行機雲が描かれている。
そんな野球日和の天気を思わせる一句である。
これからも素晴らしい句を期待しています。
佳作 「綻びは 頬に讃えて 背番号」
(富山県 堀北 さくら)
解説
自分の子供が初めて背番号をもらったのであろうか。
親としてはユニフォームに綻びを作らないよう縫い付けながらも、自然と頬は綻んでしまう。
綻びという言葉が2つのものを指しているわけだ。
そんな親の喜びが詠み手に伝わる作品である。
解説
佳作 「かち割りに 歪んで映る 二遊間」
(埼玉県 野嶋 雄二)
解説
真夏の球場はかち割りが似合う。
汗をだらだらと垂らしながらも、口にするかち割りの美味しいことといったらない。
そのかち割りを通して見るダイアモンドは蜃気楼のように瞳に映ることだろう。
夏の野球観戦の風情が漂ってくるような一句。
選外 「口元に ホクロが眩しい 18番」
(滋賀県 鶴見 範康)
解説
いや、桑田さんやないか!
前回の論外の方から完全に流れがおかしくなっているが、このコーナーは真面目な俳句を紹介するというものである。
作者がどういう意図を持って応募されたのかはわからないが、今後応募される際には今回の作風とは異なるものを期待している。
論外 「アンパイヤ 1文字変えたら バンパイア」
(神奈川県 そんな攻撃いたしかゆし)
解説
また来やがった。
いったい何を求めてこの方は毎回応募されているのか理解に苦しむ。
ここにコーナーの趣旨と異なる創作物を応募し続けることで、この人物はどのようなカタルシスを覚えているのか想像だにできない。
いや、寧ろこのような人物のことなど気味が悪くて想像したくもない。
そして何よりも恐ろしいのは、ペンネームだと思っていたものが本名であったということである。
この記事はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。
※ よろしければ以下の記事もどうぞ。