漫画漫遊1
若かりし頃は週末に1万円札を持って、古本屋に行き面白そうな漫画を買い漁っていた。
1万円もあれば50冊、60冊は漫画を買うことが出来た時代だった。
そして平日の夜眠りに就く前の楽しみとして1日10冊ほど漫画を読んで過ごした。
月に200冊以上の漫画を購入したことになる。
そんな生活が5年続いたときには読破した漫画本は10000冊を超えていた。
しかし部屋のスペースには限りがある。
僕は泣く泣く漫画の数を10分の1に減らした。
不思議なもので古本屋で買ったものはほとんどなくなった。
そして僕の本棚には手放すことができない漫画が1000冊ほど並んでいる。
僕はふとしたときにその名作たちを手に取り、作品に没頭してしまうことがある。
この記事で紹介する漫画は次のような人におすすめ
・単純なバトル漫画におさまることがないスケールの大きな冒険譚が好きな人
さまざまな時代や世界線を描き、それら全てが伏線として最後に回収されるという見事なストーリー展開が好きな人にはおすすめ。
・絶望の中から希望を見出し前に進むというストーリーが好きな人
日常生活に虚しさを感じたり、幸せを感じにくくなっている人におすすめ。
心が揺さぶられるような悲哀を乗り越えて主人公が前に進むのを見て、毎日が幸せに感じたり、まわりの人を大切に思えたりする。
・ストーリーに無理がなく説得力がある物語が好きな人
兎にも角にも内容が面白く、ストーリーにぐいぐいと引き込まれるため、細かな違和感を感じることがない。
最近手にした名作漫画
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藤田和日郎先生と言えば「うしおととら」が有名であり、もちろん僕の本棚に並べられている作品なのだが、僕は「月光条例」のほうが好きだ。
藤田和日郎先生の作品は魂を鷲掴みにし、心が痛くて涙をこらえることができないものが多い。
それでいて主人公を応援したくなる救いを残してくれるから、痛みの中にも希望を見出すことができるのだ。
手塚治虫先生を筆頭とした日本の漫画家の中で10指に入る作家さんだと思っている。
あらすじはおかしくなったおとぎ話の登場人物を主人公と仲間たちが力を合わせてもとに戻すというものだが、大人であったとしても涙をこらえることは難しいだろう。
おとぎ話好きならばなおさらだ。
1巻を手にしてみたら29巻までは2日とかからなかった。
そしてその勢いそのままに手を伸ばしたのは同じく藤田和日郎先生の「からくりサーカス」であった。
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藤田和日郎先生の作品に中毒性があるのかもしれない。
「からくりサーカス」は「月光条例」より以前の作品であり、人類に害を及ぼすからくり人形たちとの戦いを描いたものである。
この作品も心をギュッと掴まれるような感覚を覚えるもので、哀しみに溢れる内容が多くあるが、それでも生きることに前向きになることができる名作中の名作である。
愛蔵版で20冊以上あったのだが、毎巻涙を禁じ得ないシーンがあり、3日とかからずに読み終えてしまった。
比較的短めの作品を読みたい場合は「月光条例」、長編を読みたい場合は「からくりサーカス」をおすすめする。
次は何を読もうか。
今宵も僕は本棚の前で名作漫画を吟味している。