まる猫の今夜も眠れない

漫画、英語学習、お笑い、ふりかけ、四方山話

ジョン・レノンに憧れて [眠れない夜にくだらない話を]

マンハッタン区72番通りにて

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こんばんは、まる猫です。

今夜も眠れないでいます。

皆様、どうお過ごしでしょうか。

僕は若かりし頃、ビートルズ、特にジョン・レノンを崇拝していました。

楽器を始めたのもビートルズジョン・レノンの曲を弾きたいと思ったからでした。

周りがJポップだのアイドルだの言っているときに、僕が聴いていたのはビートルズの「エレノア・リグビー」でした。

「エレノア・リグビー」とは、孤独な老人が何ともつながりなく、どのように生きるのかということをテーマにした曲です。

何ともまあ陰鬱な歌詞となっております。

ただストリングスが重厚で美しく、今聴いても古さを感じさせません。

匂い立つような物悲しさを感じさせてくれます。

大学に入るまでの僕にとって、音楽とはすなわちビートルズジョン・レノンと同義でした。

 

アメリカに留学しているときは、MTVを欠かさず見て、流行のCDを買い漁っていましたが、ビートルズジョン・レノンのアルバムは常にテーブルの上に置いてありました。

そんな僕にマンハッタンに行く機会が与えられたのです。

僕はかねてよりマンハッタンに行けたらしたいことがありました。

それはダコタ・ハウスでお祈りをすることでした。

ダコタ・ハウスとはジョン・レノンが撃たれた場所です。

できたら、ひざまずいてお祈りをしたいと思っていました。

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マンハッタンは想像していたよりも静かで、落ち着いている感じがしました。

皆が人の目を気にせず、あるがままにいることが素敵に感じました。

僕もマンハッタンの雰囲気が合うような、かっこいい男になろうと、肩で風を切って街を歩きます。

我ながらいい感じだと思っていました。

しかしセントラルパークに着くと、もう駄目でした。

崇拝するジョン・レノンが見た景色を自分が見れていると思うだけで、鼻息が荒くなります。

ストロベリー・フィールズの記念碑IMAGINEを見付けて、感動のあまり、しばらくそこから動けなくなりました。

昇天寸前。

そして見覚えのあるマンションが見えてきました。

興奮は言語化できる状態ではないレベルに突入しています。

「ふご〜、ふご〜」という荒い息をして、目を血走らせてゾンビのように近づいていきます。

すると見かねたガードマンのような人にこう言われました。

「体調が悪いのか?」

我に返った僕は「大丈夫です、ふごー」と鼻息の強さをキープしながら返事をしました。

そしてふだんからこういうゾンビみたいな歩き方をしているという芝居をしながら、マンションから遠ざかっていきました。