まる猫の今夜も眠れない

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僕が一番好きな場所

お題「初めて一人旅をします。一人旅でよかった場所、一人旅初心者におすすめの旅行先を教えてください。」

楽園

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僕が一人旅をして一番素敵だなと思った場所について書かせてもらいます。

それはロンドンにあるケンジントン公園です。

現地の人はケンジントン・ガーデンズと言っていたと思いますが、とにかくその公園が素晴らしいのです。

ロンドンは何度行っても素晴らしいと思える場所です。

朝方の霧がかかったロンドンの雰囲気はそれだけで映画の1シーンを切り取ったかのような雰囲気があります。

 

僕が初めてロンドンに行ったのは高校一年生のときでした。

厳密には祖母と一緒に行ったので一人旅ではなかったのですが、祖母は主に親戚の家にいて、僕はほとんど独りで活動することができました。

地下鉄に乗って色々な場所へ行き、有名な広場を歩いたり、蚤の市を巡ったりしました。

どこを歩いても楽しいことばかりで、一気にロンドンが好きになりました。

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ところがあるデパートの前に行くと、圧の強いおばさんが僕の前に走り寄ってきます。

何か怒っているようです。

僕が何かしてしまったのかな、と思って不安になりました。

しかし、どうもそのおばさんは募金を募っているようでした。

おばさんは早口でまくし立ててきます。

僕は1ポンドを渡して立ち去ろうとすると、おばさんは大声を出します。

どうも足りないと言っているようです。

早く立ち去りたくて、仕方なくもう1ポンド渡すと、おばさんはさらにわめき出します。

再び足りないことをアピールしてきます。

何も解らなかった僕は結局5ポンドをぶん取られ、おばさんは満足したようでした。

5ポンドは当時でいうと1000円以上になります。

高校生の僕には大金でした。

僕は唖然としながらも怒りを覚えていましたが、か細い声で "I don't like you."というのが精一杯でした。

「何だよ、これ。」

一気にロンドンでの興奮がどす黒い感情で汚れていきます。

トボトボと歩き、地下鉄に乗ります。

僕が当時好きだった女の子はピーターパンが好きでした。

彼女のために最後にピーターパンにまつわる何かを買って帰ろうと思いました。

地下鉄を降りて、通りの店でピーターパンが描かれているポストカードを買い、精神的に疲れていたので、少し休憩しようとしました。

そのとき立ち寄ったのがケンジントン公園でした。

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写真は厳密にはハイドパークです。

 

ケンジントン公園は芝生が絨毯のように広がっていました。
木々の緑と高い空の青さのコントラスト。

小川のせせらぎ。

そこで水遊びをする小鳥たち。

それを眺めるピーターパンの像。

楽園のような場所でした。

僕は近くのベンチに腰かけて、いつまでもその場所に溶け込んでいました。

 

一人旅でいきなりロンドンはハードルが高いかもしれませんが、是非おすすめしたい場所です。

ちなみに僕はその女の子にピーターパンのはがきと紅茶のセットをあげました。

友達には何も買っていなかったことに気付き、機内食をあげました。

友達は僕を悲しそうな瞳でいつまでも見つめていました。