リスニングで困っている方へ
経済的な英単語の覚え方については以下の記事で触れた。
maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp
端的に言えば、単語を意味のある部品に分解してとらえることが最適な方法論だと考えられる。
この覚え方はアメリカの国語の授業でも用いられている。
ある意味で、この方法論は日本人が「氵」を見たら、水をイメージするというものに近いと思う。
今回は「リスニングにも使える単語記憶法」に関して触れたい。
この学習方法をすすめるにあたって、僕が最適だと想う教材の1つが「語源の音で聴きとる!英語リスニング」 (山並陞一著)である。
山並先生の著書については前回も扱っている。
山並先生はそもそもが工学博士であり、科学的にも理にかなった方法を提示している。
無駄の一切ない言語学習メソッドは、英語の習得に必要な時間を削減できると思われる。
山並メソッドによれば、200の語源の音を識別できれば、8000語の獲得に等しい効果が生まれるという。
この本が提唱している考え方は至ってシンプルだ。
つまり「語源に基づく200の基本音を覚えることで、単語を理解する速度を速める」ということに尽きる。
基本音が頭に入っていれば、単語が意味するところをイメージする速度が速くなる。
そうすることで、相手が話していることに瞬時に対応ができるようになるのだ。
例えばこの本は、祖語staという音が「じっと立つありさま」「不動」を示唆する音であることを紹介し、standやstarなどそこから導かれる単語を20以上挙げている。
祖語staの音の意味を知っておけば、その音が含まれる語を会話で聴いたときに、頭の中で「じっと立つ動作」をイメージし、理解までの速度が速くなるわけだ。
この本が提唱しているのはここまでであるが、実際この理屈はスピーキングでも応用できると思われる。
英語で会話をしていて、言いたい単語が出てこないことがある。
それは単語を部分に分解せずに、覚えている場合に起こりやすい現象だと思う。
もしも基本音が入っていれば、そこから単語を完成させることができるし、基本音だけでも相手が理解することもある。
まとめ
上記のように、この本に沿って基本音を覚えていくことで、リスニングの処理速度が上がることは容易に説明がつく。
また、単語を覚えるという作業においても、この本は素晴らしい効果を発揮すると考えられる。
僕自身は単語の意味を深く理解するためにこの本を使っている。
ただし、語源系の本は高校生以上が読む分には問題がないと思うが、中学生以下に読ませる場合はやや難しいかもしれないということだ。
とても根気がいる。
辛抱強くないのであれば高校生でも投げ出すかもしれない。
しかしながら、その努力ができるのであれば、言語をマスターする時間を大幅に削減できると思う。
中学生以下に読ませるのであれば、別の本がいいと思うが、それはまた別の機会にお話させていただきたい。