前口上
人生には漫画が必要だ。
ともすれば繰り返しに見える毎日とは違う世界線の物語に触れることで、日常に意味を見出すことができる。
鈍い痛みが絶え間なく続くように思える日々にも、名作漫画は希望の光を灯してくれる。
僕は時間ができると自分の本棚の前を歩き、1000冊以上ある漫画本から心が欲するものを選ぶことにしている。
そして手に取った作品を読み始め、それが心のすきまにピッタリとはまる場合は完結まで没頭してしまう。
今宵はどんな漫画を手に取ろうか。
この記事で紹介する漫画は次のような人におすすめ
・圧倒的な画力で描かれるガン・アクションや西部劇風の舞台が好きな人
作者の皆川亮二先生の画力が凄まじく高いといういことは有名な話だ。
その先生がこれ以上ないほどカッコいいガン・アクションを描いているわけなので、ファンならずとも夢中になることは言うまでもない。
・現代人も考えるべき深いテーマが描かれている物語がお好みの人
この作品は単純なガン・バトルという枠を超えて、人類が考えるべき深遠なテーマが描かれている。
銃とはなにか。
平和とはなにか。
そのために人は何をすればいいのかがこの作品には描かれている。
・魅力的な悪役が登場する作品が好きな人
最初は諸悪の根源だと思うキャラクターが、実はとても深い考えと覚悟を持っていたりすると物語の奥行きがグッと広がっていく。
最後には主人公の敵役を応援している自分がいることに驚いた。
最近手にした名作漫画
最近没頭したのは皆川亮二先生の「PEACE MAKER」である。
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皆川亮二先生の代表作は何と言っても「ARMS」や「スプリガン」だろう。
僕も正直「名作と言えば「ARMS」」だと思う。
「ARMS」は人間讃歌がメイン・テーマであり、生きることを肯定できるようになる名作中の名作だ。
「PEACE MAKER」は「ARMS」と較べてしまえば、皆川先生の中でもマイナーなものに分類されるかもしれない。
しかしそれでも「PEACE MAKER」にひかれてしまうのは、業を乗り越えて進む人間というものが描かれているからであろう。
「PEACE MAKER」のあらすじは「平和を作るもの」という名の銃を持って旅する主人公がさまざまな仲間と出会い、対峙する敵を倒していくというものである。
西部劇のような時代設定に心が踊る人もいるだろう。
しかし「PEACE MAKER」はピストルを使った単純なバトル漫画ではなく、ストーリーの中で「平和とは何か?」と語りかけてくる物語だ。
読み進めていくうちに、最後の敵に感情移入し、「負けてほしくない」とも思わせてくる。
次は何を読もうか。
今宵も僕は本棚の前で名作漫画を吟味している。