【やってみようのコーナー】あなたは修学旅行以外では京都から出たことがない生粋の京都人だ。京都を心から愛している。そして家には友人のゴリラ村茂人が遊びに来ている。ゴリラ村は休日はボランティア活動に勤しむ細身でメガネがよく似合う知的な男性だ。「名字がゴリラ村って」と思われるかもしれないが、重要なのはそこではない。あなたはその友人に帰宅してほしいと思っている。しかしあいにくあなたはお茶漬けをきらしていた。はたしてどうしたらゴリラ村を傷つけずに帰宅させることができるのか。
はじめに言っておくが、僕は京都に10年近く住んでおり、その街が好きである。
好きすぎてもう行きたくないというくらいなのだ。
このアンビバレントな気持ちを理解してくださるだろうか。
定住できるなら行きたいが、住めないのに観光をするためだけに京都に行くことは寂しくなるからできないのである。
そして帰ってほしいという相手にお茶漬けを出すということも誇張なのは知っている。
けれどもそれでいいじゃないか、素晴らしい場所なのだから。
だから京都をいじっているなどという批判は御免被りたい。
そんな的はずれな批判に対しては僕は毅然とした態度で引きこもらせていただく。
なお、このブログは筆者が外見以外はゴリラ村であるにも関わらず、読者様がエンジェル村であることでも知られている。
またどういうわけか読者様にはレディーが多いこともあり、そのような淑女のかたにも御理解いただけるような提案を心がけたい。
案1
靴に炒飯を盛る
いや、帰れんやろ、逆に。
しかもお茶漬けがないから炒飯って。
京都の風情が台無しだし、そもそもゴリラ村も「どういう嫌がらせ?」ってなるわ。
いずれにしても案2にうつる。
案2
「そういえばゴリラ村さんは何県の北区出身でしたっけ?」
ふつう区よりも県を先に覚えるやろ。
いくら北区から帰宅を連想させたいからと言ってさすがに無理がある。
「案1にピークを持ってきて全体がしまりのない流れになってしまう」という過去の
過ちから学んで今回はこういうスロースタートをしているのか、それともこの時点でピークを越しているのかは加味の味噌汁。
今までのことは水に流して案3にうつろう。
案3
アルマゲドンの主題歌 "Don't want to miss a thing" を流す
いや、帰りたくなるか?
むしろ宇宙に行ってしまうんではないか?
虚しさを乗り越えて案4にうつる。
案4
畳の上に「ふりだしに戻る」と書いておく
いや、部屋に入ってきた瞬間に気づくやろ。
トイレに行くときに席をたつと思うが、トイレの前の床に書いておいたほうがいいんじゃないか?
いや、何を真面目にコメントしているんだ、僕は。
兎にも角にも案5にうつる。
案5
「裏山で筍が取れたのよ、何本あるかしら、
1本、2本、3本、4本、ゴーホーム」
そこはかとない。
これならばゴリラ村も傷つくことなく帰宅することができるだろう。
これにて一件落着であるが、それにもかかわらず案6にうつる。
案6
外野の深い部分にフライを打ち上げる
いや、ゴリラ村が捕球を確認したときにホームに走るとでも思ったのか?
どこが女性向けの発案を心がけているのか。
男性だってツボにはまらないやろ。
いかがだっただろうか。
あなたが家に来てなかなか帰らないゴリラ村を傷つけずに帰宅させたいときはぜひとも上記の案を参考にしていただけたら幸いである。
この記事は当然のことながらフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。
※ お茶漬け。