闇夜の竜王戦
この記事は先だって行われた闇夜の竜王戦の後編を記録したものである。
なお、この竜王戦は将棋とは一切の関係がないので、たまたまお読みになられたかたは決してタイトルに騙されないようにしていただきたい。
また読者様がイメージしやすいように、部屋内の空間に数字をふらせていただいている。
四方は壁であり、⑮の下に部屋の出入り口があると考えていただきたい。
また部屋内部には窓や洗面所につながる部分もあるが、対戦には不要な情報であるため、ここでは割愛させていただいている。
①②③④⑤
⑥⑦⑧⑨⑩
⑪⑫⑬⑭⑮
対局の目的は姫の安眠を守ることと王子の安全も保証することであった。
前半戦を終わって⑮に王子、⑦に猫王、⑧に姫、⑩に奥様が寝ている状態となっている。
なお、この時点で眠っていないのは猫王のみとなっている。
⑮→⑭王子
後半の初手として王子が⑭へ移動する。
⑩→⑨奥様
奥様が王子が⑨に入るこむのを防ぐためにその空間を埋める。
眠っていても僕のして欲しいことがわかる奥様に愛を感じることはないが、有り難いと思う。
⑭→⑮王子
今度は王子が⑩をねらうために⑮に移動する。
眠っているにも関わらず、なかなかの策士である。
①②③④⑤
⑥⑦⑧⑨⑩
⑪⑫⑬⑭⑮
⑨→⑩奥様
奥様が再び王子が⑩に入るこむのを防ぐためにその空間を埋める。
眠っていても僕の望むことがわかる奥様に愛を感じることはないが、有り難いと思う。
しかしその上でいったい何が行われているのかはもはや理解を超えていた。
⑮→⑭王子
再び⑨を目指すためか王子が⑭へ移動する。
⑩→⑩奥様
奥様が無意識に⑭と⑨の間に足を伸ばし、ディフェンスをかける。
流石である。
①②③④⑤
⑥⑦⑧⑨⑩
⑪⑫⑬⑭⑮
⑭→⑬王子
彷徨える蒼い弾丸よろしく王子が移動を繰り返す。
⑦→⑦猫王
猫王が⑬と⑧の間に足を伸ばし、王子の移動を妨げる。
⑬→⑫王子
安住の地を求めて王子が引き続き移動をし続ける。
①②③④⑤
⑥⑦⑧⑨⑩
⑪⑫⑬⑭⑮
⑦→⑦猫王
猫王が伸ばした足をたたみ、金縛り状態に戻る。
⑫→⑪王子
王子が⑪に移動してはっきりとした声量で寝言を言い始める。
絶体絶命と思われた瞬間に軌跡の一手が生まれる。
⑩→⑩奥様
奥様が寝言で王子の寝言を注意する。
①②③④⑤
⑥⑦⑧⑨⑩
⑪⑫⑬⑭⑮
⑪→⑪王子
王子がまさかの⑪で起きあがる。
⑪→⑦王子
王子が⑦で寝ている猫王にフライング・プレスをする。
闇夜の竜王戦は両者TKOのため引分となった。
この記事は当然のことながらフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。
※ 将棋盤。
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