はじめに
この記事は1月ほど前に書かれたものです。
タイムラグがありますが、なにとぞ御了承ください。
回答
今日は7月3日だった。
僕の住んでいる地域は昨日まではぐずついた天気が続いていた。
一日中雨が降り続けはしないが、毎日決まって数時間は豪雨が降った。
それがまた僕をげんなりさせた。
そもそも梅雨のシーズンが好きではないのだが、それでも紫陽花と雨の組み合わせのように風情があるのならばまだ許せた。
ところが最近の梅雨ときたらただ毎日ゲリラ豪雨に見舞われるという風情もへったくれもないものだ。
まるで趣がないではないか。
早く晴れにならないかと毎日携帯電話で天気予報を見ていたくらいだ。
しかしへったくれとはどういう言葉なのだろう?
ひったくり?
そんなことはどうでもいい。
今日は待望の晴天だった。
僕は7時半過ぎに家を出て、自転車にまたがった。
久しぶりの青空に心が踊った。
そして職場に向かって自転車を漕ぎ出した。
曇り空のときと較べて心なしかペダルが軽く、自然と鼻歌がこぼれる。
15分ほどペダルを漕ぐと、荘厳な神社がある通りにたどり着く。
そこには住宅街のど真ん中ではあるが、緑が生い茂っており、夕方には子供たちが戯れる公園もあった。
そして7月3日朝8時僕がそこを自転車で通り抜けたとき、蝉の合唱が聞こえたのだった。
今年初の蝉の声を聞き、僕の心は高鳴った。
夏だ。
今年も夏が来た。
体を焦がすような夏は好きだ。
水分をたくさん摂りながら夏空の下をジョギングするのも好きだ。
蝉の声はその夏を知らせてくれた。
しかし待てよ。
僕はふと思い出したことがあった。
明日からの天気だ。
毎日天気予報を見ていたから覚えているのだ。
僕の住んでいる地域は明日から2週間は雨が続くという予報であった。
何だったら梅雨明け宣言日までも2週間はある。
そして僕の周りの木という木から蝉の声が「ミーンミーン」と鳴り響いている。
「いける?」
僕は思わず蝉に尋ねてしまったのだった。
蝉たちは何も答えてくれなかった。
要望
最も真に迫る「いける?」の例を教えてください。
この記事は当然のことながらフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係がありません。
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