まる猫の今夜も眠れない

眠れない夜のお供に

カリブ海に浮かぶ楽園、バハマ

お題「人生で一番やらかしたこと」

やらかし天国

今までやらかしたことは数知れない。

毎日やらかして自己嫌悪に陥っているとも言える。

しかし深刻なやらかしだと笑えないので、ここでは笑って(少し泣いて)済ませられるやらかしの中で1番のものについて触れたい。

バハマに行ったときに僕に起きた出来事である。

ちなみに以下の写真はバハマのものではないと思うが、イメージを伝えるために不可欠であったので貼り付けてある。

 

バハマ、南の島の楽園

バハマというと日本ではあまり馴染みがないかもしれない。

しかしアメリカ、特に東海岸からは行きやすく、人気の観光地である。

当時高校生だった僕は、学校が休みの間に親に連れていってもらったのだ。

いろいろな経験を積ませてもらった両親には感謝しかない。

フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)

着いてすぐ驚いたのは海の透明度である。

写真はエメラルド色をしているが、水がシンプルに透き通っていた記憶がある。

魚影でなく魚自体がくっきりと見えた

その澄んだ海がどこまでも広がっていた。

僕が見た中では最も綺麗な海だった。

フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)

泊まったのはリゾートホテルだった。

とにかく広く、フロントから自分の部屋に行くのも一苦労だった。

食事もアメリカと較べてヘルシーなものが多く、家族は美味しそうにほうばっていた。

しかし僕はそのとき右の口内に親知らずがはえていて、右側でものを噛むと痛みが生じたので、頭を90°左に曲げて咀嚼していた。

その訳が解らない食べ方のせいか味をあまり覚えていない。

フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)

ホテルにはカジノがあった。

スロットマシンやルーレットなどがあった。

高校生なのでできなかったが、すごく楽しそうだった。

島は美しく、ホテルも最高であり、たちまちバハマが好きになった。

時間の許す限り、海でシュノーケリングをしたり、観光を楽しんだり、ビーチで売っていたトロピカルジュース的なものを飲んだ。

失敗したのは夜空を覚えていないことだ。

ホテルの中のアトラクションを楽しんでいたから、夜の海と夜空を見ることを忘れていた。

とにかく、そんなこんなで夢のような時間が続いた。

次の日も力の限り遊んだ。

高校生にしてはかなり健全に体力を使っていたと言える。

3日目もエネルギーをほとばしらせて泳ぎまくっていた。

そしてあることに気付いたのだ。

 

髪ボサボサやん。

 

親知らずが痛くてすっかり忘れていたが、数ヶ月髪を切っていない。

高校の生徒もロン毛が多かったので、全く気にしてなかったが、僕はロン毛だということに気付いた。

うーん、鬱陶しい。

母親にはアメリカに帰って切ればいいと言われたが、海水で髪がベトベトする。

さっと切ってしまいたい。

ビーチには現地の女の子がいて、髪に飾りをつける仕事をしていた。

これ幸いとばかりにその女の子に髪を切れる場所はないかと尋ねる。

女の子は微笑んで、「ふだん髪をいじっているから私がやってあげる」と言ってきた。

もちろん有料である。

「おねがいします」と言って、2000円くらいを渡した。

そして女の子は慣れた手付きで僕の髪を束ねていく。

何か知らない道具が並べられていた。

はんだごてみたいなものもあった。

しかし人に髪を触られると気持ちがいいもので、僕はつい眠ってしまった。

 

しばらくして僕は目を覚ます。

女の子は小さく笑って、「終わったよ」と言った。

明らかに涼しい。

この南の島でまた1つ素敵な思い出ができたと嬉しくなった。

そして頭を触る。

 

ドレッドヘヤになっとるやないか!

 

正しく言うならば、ドレッドヘヤのような髪型だ。

肩まで長かったらまだよかったのだが、僕のそれは中途半端な長さだった。

ピッコロ大魔王の触角みたいなものが無数にはえている状態だ。

いや、現地の人がする分にはカッコいい髪型だと思うが、そもそも僕は髪を切ってくれると思っていた。

僕は引きつった笑顔をしながら女の子と別れ、母親のもとへと帰った。

母親は「髪を切ると言っていたのに、何がしたいのか解らない」と言って呆れていた。

ママン、僕にもわからないよ。

目が覚めたらドレッドヘアになっていたんだ。

 

maruneko-cannot-sleep.hatenablog.jp