わかる人だけにわかる話「お腹が痛い」
※ 今回はすぐにお腹が痛くなる人のお話である。
そしてお腹が痛くなる人ならばわかると思うが、このテーマを語る際にはトイレの話は避けて通ることができない。
もちろんキワドい描写はせずお花畑のような美しい表現を心がけるつもりだが、トイレもお花畑と言われるため非常にややこしいところである。
もしもお食事中の読者様はぜひこれ以降は読むのをやめて、まずは完食を目指していただきたい。
完食後にお腹が痛くなったらお花畑に行き、そこで読んでいただけたら幸いである。
ロダンのようなポーズをしているあなたに送るエールが記されているだろう。

すぐにお腹が痛くなる。
何なら毎日ゆるいくらいで、朝には3回以上トイレに行く。
奥様は逆で堅固な要塞のような方である。
ただし僕は疾風のような速さで退出するので、滞在時間は奥様のほうが遥かに長い。
4コマ漫画を1作品読み切る前にことを済ませられたときは自分でも驚いた。
西部劇に出てくる早打ち自慢のガンマンも度肝を抜くスピードであろう。
そういう競技があれば最初から出ている人以外には必ず勝てると思っている。
しかも量産ができるタイプであり、仕事中にも最高で二桁トイレに行ったことがある。
おそらく仕事場の皆は「常に席を外しているが、何とやり手なのだろう」と思ったことだろう。
さっきから何を言っているんだ、僕は。

「薬を飲めばいいではないか」と思われるかもしれないが、問題はそんな簡単ではないのだ。
決して「薬を飲んだら負け」という心の根性焼きをしているわけではない。
薬の偉大さは知っているし、いつだって感謝している。
薬を飲んで治るならズボラな僕だって飲んでいる。
ただ知っておいてほしい。
腹痛はいつやってくるか解らないのだ。
そのとき薬が飲めると思ったら大間違いである。
ジョギング中にお腹に激痛がやってくることすらある。
家から3㌔離れた場所で腹痛に襲われたときの哀しみと言ったらない。
そこまでかかった時間の3倍以上をかけて帰宅する。
しかも決してお腹が痛いかのような素振りを見せず、あたかも足をくじいたかのように歩くのである。
「自分の見栄えなど気にするな」と言われるかもしれないが、お腹が痛いという様子で歩いていたら心配した人たちに「大丈夫ですか?」と声をかけられたことがあるのだ。
優しい人たちだった。
どうか放っておいてほしかったが、優しい人たちに心配させるのは心苦しいので僕はそれ以降は足をくじいたように歩いている。
いったい何の話をしているんだ、僕は。

そんな僕がバイトで模試の試験監督をしたことがある。
ふつうに生きていれば試験監督をすることはあまりないだろう。
敢えて例えるならば、会社の採用試験で面接官をしている状況は近いかもしれない。
そんなとき、お腹が痛くなることはないか?
僕はある。
ふざけているわけではない。
心から「お腹が痛くならない人に任せませんか?」と言いたいところだが、どこの現場も人手不足であり、グッとこらえて戦場へ赴くのだ。(続く)
この記事は例のごとくフィクションということにしていただけないでしょうか。
したがって実在の人物・団体とは一切関係がないとお考えください。
※ 腹痛。