発想の逆転
「手のひらを太陽にスカしっ屁みれば。」
今日は子供の習い事の日だった。
例のごとく、一緒に自転車でジムまで行き、子供がレッスンを受けている間は待合スペースで待機する予定だった。
待合スペースには個人用のデスクが5つあり大きな円形テーブルも1つあったが、保護者は30人近くいるので、いつも取り合いであった。
運良く椅子が確保できれば仕事をしたりブログの記事を書いたりできるのだが、不運にも円形テーブルにすら腰掛けられない場合は近辺を1時間ほど練り歩くという刑に処せられることもあった。
その日は幸運にも個人用のデスクを確保することができ、しかも自動販売機の近くという最高のロケーションをゲットできた。

僕はPCを取り出しブログの記事を書こうとしたそのときである。
大柄な男性が自動販売機の前に立ち止まった。
身長もさることながら、ぽっちゃり体型を超えるどっさり体型をされておられた。
おしゃれな格好ではなかったが不潔には感じないいでたちをされていた。
男性はおもむろに自動販売機の前で屈み込むと、腕を伸ばして機械の下をゴソゴソとしだした。
「チッ」という舌打ちのあと、男性は隣の自動販売機にカニ歩きし、再び屈み込んで機械の下を調べていた。
この頃には男性は保護者の視線を集めていた。
何が困るって男性が屈み込むたびにシャツが捲れ上がり、インナーが露出するのである。
しかもインナーはブーメラン・パンツ的な形状をしていた。
保護者一同は心の中で「WHYなぜに?」とつぶやいたことだろう。

そして全ての自動販売機の下を確認すると、彼はため息を付いてその建物から出ていった。
小さく「え、保護者じゃないの?」という動揺の声が聞こえた。
僕もしばらく事態を飲み込めないでいたが、我に返りこの一件に関して考察をしてみた。
おそらくふつうはお金を探していたと考えるだろう。
けれども考えてみてほしい。
どこの世界のブーメラン・パンツを履いた男性が自動販売機の下にあるかもしれないお金を探すというのか。
しかも「そのジムとは無関係な人物が」である。
ここは逆転の発想をするべきである。

つまり男性は自動販売機の下に帰るつもりだったわけだ。
おそらく自動販売機の下に住居があるのだろう。
けれどもうっかりどこの自動販売機か忘れてしまったに違いない。
やはり総合的に考えてこれ以外の結論はあり得ないように思える。
我ながら鋭い考察に驚いている。
しかしさっきから飲んでいるこのスピリタスという飲み物、美味しいけれど何だか不思議な味がするなぁ。
お酒でも入っているのだろうか。
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