【ネタバレしない映画感想文】『君たちはどう生きるか』
宮﨑駿監督作品の『君たちはどう生きるか』を鑑賞させていただいた。
職場の人間なら「お前こそどう生きるかを考えろ」ないしは「お前はどう生きてきたのか」と言うだろう。
あまりに仕事ができない僕を人生の迷子だと思っているのだろう。
はっはっは、愉快愉快。
いや、誰が人生の迷子だ。
言っておくが僕は方向音痴ではない。
田舎によくある巨大迷路も壁の下をくぐったり、時には壁を乗り越えたりと3D空間を存分に活用したチート技を連発することでわずか2、3分でクリアしたことがあるくらいだ。
一緒に行った知人は僕との実力差に驚愕したのか「お前とは二度と行かん」と震えながら言っていたほどである。
ただし人生には迷っている。

そんなことはどうでもいい。
『君たちはどう生きるか』は賛否両論別れる作品だとは聞いていた。
ほかに映画公開前に一切宣伝をしなかったことを知っているくらいで、原作は一切読んだことがなく、ほとんど白紙に近い状態で鑑賞させていただくことができた。
結論から言うと、物凄く面白かった。
ジブリの最高傑作という意見も頷けるものがあった。
ただ否定的な意見もあるというのも理解できる作品ではあった。

面白さの定義
こと「面白さの定義」に関しては人間は大きく2分されると思う。
理解できるから面白いという人と理解できないから面白いという人である。
『君たちはどう生きるか』のストーリーであるが、正直言うと全く意味が解らないものであった。
だから前者の人たちが拒絶反応を示すのは理解できる。
実際、教育学のなかでこんな考え方がある。
「人間は自分の持っている背景知識を駆使して物語を理解する。」
つまり、背景知識に合致しない内容に関しては情報として処理をすることができるが、理解をすることが困難であるというものである。
よって、あらゆる人間の背景知識と合致しないこと作品を理解できないことは無理もないし、訳が分からないから面白くないという意見があるのも致し方ないだろう。

ただこの作品は僕には猛烈に面白かった。
ストーリーは複雑すぎて僕のような人間には全く理解できなかった。
僕の持っている知識とも合致せず、鑑賞後も訳が分からない状態にある。
けれども最高に面白いと思った。
「どういうことだろう?」と想い、話を極めて個人的に解釈しようとした。
浦島太郎を初めて聞いた感じを思い出した。
亀を救った浦島太郎が最後には老人にされてしまうなんて、そんなことあってたまるかと幼心に思ったものだ。
けれどもそれは心の何処かに残り続け、そして思わぬ形で発芽するのであった。
『君たちはどう生きるか』はそんな日本を代表する童話のようなテイストがありながら、ほかのどの物語よりも立体的であり、色彩豊かであり、難解であった。
もしもこの作品を今後初めてご覧になられるのであれば、是非とも「理解できる・できない」という尺度で測るのではなく、そこから自分は何を感じるかということを楽しんでほしい。
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